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2012.8.15

シベリアからの手紙

陸軍一等兵、山本幡男氏の心に響く言葉より…

「子供等へ」

山本顕一 厚生 誠之 はるか 

君たちに会へずに死ぬることが一番悲しい。

成長した姿が、写真ではなく、実際に一目見たかった。
お母さんよりも、モジミ(妻の名前)よりも、私の夢には君たちの姿が多く現れた。
それも幼かった日の姿で・・・
あゝ何といふ可愛い子供の時代!

君たちを幸福にするために、一日も早く帰国したいと思ってゐたが、倒頭永久に別れねばならなくなったことは、何といっても残念だ。
第一、君たちに対してまことに済まないと思ふ。

さて君たちは、これから人生の荒波と戦って生きてゆくのだが、君たちはどんな辛い日があらうとも光輝ある日本民族の一人として生まれたことに感謝することを忘れてはならぬ。

日本民族こそは将来、東洋、西洋の文化を融合する唯一の媒介者、東洋のすぐれたる道義の文化―人道主義を以(も)って世界文化再建に寄与し得る唯一の民族である。
この歴史的使命を片時も忘れてはならぬ。

また君たちはどんなに辛い日があらうとも、人類の文化創造に参加し、人類の幸福を増進するといふ進歩的な思想を忘れてはならぬ。

偏頗(へんぱ)で矯激(きょうげき)な思想に迷ってはならぬ。
どこまでも真面目な、人道に基づく自由、博愛、幸福、正義の道を進んで呉(く)れ。

最後に勝つものは道義であり、誠であり、まごころである。
友達と交際する場合にも、社会的に活動する場合にも、生活のあらゆる部面において、この言葉を忘れてはならぬぞ。

人の世話にはつとめてならず、人に対する世話は進んでせよ。
但し、無意味な虚栄はよせ。

人間は結局自分ひとりの他に頼るべきものが無い―といふ覚悟で、強い能力のある人間になれ。
自分を鍛へて行け! 
精神も肉体も鍛へて、健康にすることだ。

強くなれ。
自覚ある立派な人間になれ。

(出典)辺見じゅん「収容所から来た遺書」文春文庫


この文章は、1954年7月2日、旧ソビエト連邦のハバロフスク収容所で45歳で亡くなった陸軍一等兵、山本幡男の遺書です。
山本は、現在の東京外語大学でロシア語を学び、第二次世界大戦当時、ロシア語の通訳としてはたらきました。

しかし、終戦後、旧ソ連軍に捕らえられシベリアに抑留されましたが、祖国への帰国を果たすことなく亡くなりました。

遺書は、彼の7名の友人達によって、ソ連の厳しい検問の中、ある者は暗証し、ある者は書き写したノートを股下に隠し、命がけで故郷に持ち帰られました。
そして、生還した彼らの手によって日本の妻子に届けられたのです。

『13歳からの道徳教科書』育鵬社


1941年に日本とソビエト連邦(ソ連)は、お互いの不可侵を約束する、日ソ中立条約を締結した。
しかし、戦況が日本に不利とみるや、ソ連(現ロシア)は1945年8月8日の深夜、突如、日ソ中立条約の破棄を一方的に宣言し、戦闘を開始した。

そして、ソ連軍の参戦により8万人の日本軍が殺され、終戦後、60万人あまりが捕虜となりシベリアの酷寒の地に収容された。

食べる物も少なく、防寒具も暖房も満足にない劣悪な環境と、過酷な強制労働より、シベリアでは、5万5000人の日本人捕虜が命を落とし、第二次世界大戦全体では、およそ230万人の日本人が亡くなったとされている。

現在の日本の繁栄は、多くの日本人の累々たる屍(しかばね)と、筆舌に尽くしがたい苦労の上になりたっている。

そして、多くの人たちは、将来、日本が世界で誇れる国になることを固く信じて疑わずに、亡くなっていった。

今、我々は、戦争で亡くなった人達が願ったような素晴らしい国になっているかどうか、もう一度深く考えてみる必要がある。



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