2012.8.7 |
|
動物園と人間嫌い
|
|
藤本義一氏の心に響く言葉より…
この間、こんな話を聞きました。
外語大を出て商社に入った青年なんです。
彼は、デキのいい男だったんで仕事はこなせる。
が、社会で最も大切な人間関係がうまくいかないんです。
勉強、勉強の技術ばっかり追いかけてきたから、人とつき合う知恵がないんですね。
それで僕に相談に来た。
もう人間が嫌いになったから、動物園や水族館で働きたいと。
僕は知り合いの動物園の園長に「人間嫌いになった青年がいるけど、どうか。頭はいいんだ」と水を向けてみました。
すると言下に
「冗談じゃありません。
人間が好きになれない男に、動物が好きになれるわけがありませんよ。
動物のほうが拒(こば)んでしまいますよ。
いくらエリートでも、そんな人間は厄病神(やくびょうがみ)だ」って断られました。
えてしてデキのいい人間というのは、自分という人はあっても間がない。
だから、人に思いやりがなくて傲慢(ごうまん)になってる奴がいます。
成功しても、それは自分だけの力でできたことで当然と思っている。
反対に、デキが悪いといわれてる奴が、ちょっと成功すると、これは大感激ですね。
誰かのおかげでうまくいった、と感謝もする。
それで友達も増えていくわけです。
つまり、俺はデキるんだという自信は、人づき合いを壊して、人間として孤立してしまうと思いますね。
自分はデキるんだ、何でも知ってるんだと思い、自信を持った瞬間から嫌な奴になっていくのと違うかな。
つまり、デキるといわれた人間の落とし穴は、実体験の感動がないといえるでしょうね。
人づき合いには、マニュアルはありません。
あらゆるパターンの交際があるからワクには入れられない。
こんな時に、人的財産を着々と築いていえるのは、デキのいい人間じゃない。
実体験で感動できる奴じゃないかな。
『自分を100倍も面白く生きられる』青春出版社
人間関係の上手な人は、相手を喜ばせることのできる人だ。
反対に、人間関係の下手(ヘタ)な人は、人を喜ばせることができない人。
人を笑わせたり、喜ばせたりできれば、人から好かれ、人気者になる。
しかし、デキのいい人は、自分をあまりさらけだせない人が多い。
デキのいい、プライドの高い人は、心が固い殻(から)でおおわれている。
心に殻がない人は、素直で、柔軟で、どんな小さなことにも感動することができる。
自分の失敗も、ドジもさらけ出すことができる。
「人間が好きでない人は、動物にも嫌われる」
人を喜ばせることのできる、感動多き人でありたい。 |
|
|