2012.7.16 |
|
成功するための二つの視点
|
|
日本マクドナルド創業者、藤田田(でん)氏の心に響く言葉より…
仕事が成功するかどうかの「サーチライト」は二つある。
一つは、それが「西欧化」の方向に向かっているかどうかということだ。
「西欧化」とは日本人の生活の洋式化である。
日本人は昔は畳の上に布団を敷いて寝ていたが、
いまはベッドに寝ている人のほうが圧倒的に多くなってきた。
食事も、昔のようにちゃぶ台のまわりに座布団を敷いてすわって食べるというのではなく、
テーブルに向かって椅子にすわって食べるようになってきた。
トイレも洋式の水洗トイレに。
着るものにしても、いまでは和服は男女ともに非常に珍しくなってきたし、
履物もほとんどが靴で、下駄をはいている人はあまり見かけない。
だから、商売がうまくいかない、仕事の成績がかんばしくなくなったときは、
自分のやっていることが「西欧化」の方向に向かっているのか、
それとも逆行しているのかをあらためて見きわめなければならない。
逆行しているとなれば、あなたは博物館を経営するにはいいけれども、
時代の欲求から遊離してしまっていて、
このままでは、いくら努力しても「成功」は望みうべくもないのである。
仕事を計測するもう一つのサーチライトは、
それが「時間を節約する」方向に向かっているかどうかということだ。
あらゆる科学技術、とくにコンピュータの急激な発達で、
地球上の「距離」も「時間」も限りなく「ゼロ」に近づいている時代である。
かつては1時間かかったことが、いまは30分でできる、
30分かかったものが10分でできるといったぐあいに、あらゆることがスピードアップしているいま、
時間を節約しない商売は儲からなくなってきている時代である。
なにか事業を起こして、それが成功するか失敗するかは、
「西欧化の波に乗っているか」「時間節約の方向に向かっているか」という、
この二つのサーチライトで照らしてみることである。
そうすれば、成功するかしないかがはっきりとわかるのである。
西欧化と時間の節約、これは流れの速度こそ国によって多少の違いはあれ、
世界のビジネスの趨勢であり、日本もまた例外ではないのである。
『勝てば官軍』KKベストセラーズ
この本は、約16年前に書かれた本だが、今も通用することばかりだ。
確かに、生活様式の西欧化の流れは止まらない。
それは、衣食住の環境すべてにわたってどんどん進化する。
また、あらゆるところで速さが要求され、時間が縮められる。
スポーツ界でも、産業界でも、学校でも、家庭でも、効率化とそれに伴う時間の節約の流れは変わらない。
「和魂洋才(わこんようさい)」と言う言葉がある。
日本古来の固有のよき精神を大事にしつつ、西洋の学問や技術を取り入れよう、
という明治時代につくられた言葉だ。
ビジネスの世界において、今後も、「西欧化」と「時間の節約」の方向は変わらないだろう。
だが、そこで日本古来のよき精神まで変えてしまっては、日本のよき国柄が変わってしまう。
「西欧化」と「時間の節約」の流れを見据え、「和魂洋才」で行きたい。 |
|
|