2012.6.21 |
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命令形でなく質問形に
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松本幸夫氏の心に響く言葉より…
さまざまな職業を転々としたカーネギーは、みずからの体験の中で、
命令は人を動かすのにあまり有効ではないことを知っていた。
彼が一例としてあげるのは、アメリカの職業学校の話である。
学生が停めた車が出入口をふさいでいた。
教師が、「車をどけろ、今すぐ!」という命令調で車をどけさせた。
すると、言われた当の学生が反発しただけでなく、ほかの学生まで命令した教師に悪感情を持ったという。
ついにその教師は学生からのいやがらせにあったというのだ。
カーネギーは、もしもこれを命令形でなく質問形にしたら、すべてがうまくいったはずだと言う。
「あの車をどけてくれると、ほかの車が出やすくなるんだけど、どうだろうか?」と。
これは私たちの毎日に、非常に役に立つスキルだ。
言いたいことのあとに、「どうでしょうか?」「どう?」と一言つけ加えるだけで、
大きな力を発揮するのだから。
質問形にすれば、相手がみずから動いてくれるどころか、創造性も発揮してくれるはずだ。
これは命令することによっては決して得られないものである。
ベンジャミン・フランクリンは、アメリカ建国時代の精神的な支えとなった政治家である。
また、雷の正体が電気であることを実験で確かめた科学者でもある。
このフランクリンは頭がよすぎるだけに自己主張も強く、人とぶつかることがたびたびあった。
ところが、ある時この「質問形にする」ことの大きな力に気づき、
それ以来一方的に言うのは避けて、「どう思いますか?」
「私はこう思うのだけれども、これでうまくいくと考えますか?」などと質問するようにした。
そして相手の意見を求めるようにしたら、コミュニケーションがきわめてうまくいくようになったという。
あなたも、言いたいことを質問形にするだけで、成功できる。
人が協力してくれるようになるからだ。
【「成功言葉」が運を引きよせる!】成美文庫
たとえ年長者であろうと、教師であろうと、一方的に上からものを言われたら、誰でもカチンとくる。
どんなに正しいことであろうと、言い方が問題となる。
人は、命令や強制では、心の底から同意して動くことはない。
自分の意思で、自分が決定して、自ら動くのが人間だからだ。
「ロバを水のみ場に連れて行くことはできるが、無理やり水を飲ませることはできない」、
のたとえの通りだ。
相手が自らすすんで動く魔法の言葉が、「質問形」。
誰にたいしても、命令形ではなく、質問形で話すよう心掛けたい。 |
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