2012.6.7 |
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情けあるなら今宵来い
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幻冬舎社長、見城徹氏の心に響く言葉より…
『情けあるなら、今宵(こよい)来い』
「百万語を費やしたところで、
たった一つの行動には敵わない。
その行動は、早ければ早いほどいい。
一番いいのは、今すぐ行動に移すことだ」
「真があるなら、今月今宵。
あけて正月、だれも来る」
これは、高杉晋作の言葉として知られている。
死を覚悟して決起する時、傍観を決め込む陣営を訪ねて、唄ったとされている。
僕はそれを翻案して次のように言っている。
「情けあるなら今宵来い。明日の朝なら誰も来る」
「情けあるなら、今宵駆け付けてくれ。
同志として一緒に事を成そう。
この辛い今こそ、君が必要なんだ。
明日の朝だったら、何人か来るだろう。
しかし、明日の朝では、もう遅いんだ。
来てくれても嬉しくともなんともない。
本当の同志として、俺は認めないよ」
人は、口ではいくらでもいいことを言う。
しかし、実際に行動で表す人は、ごくわずかだ。
無理を伴うものであれば、なおさらである。
でも、それをする人は、揺るぎない誠意のある人だ。
高杉はこう呼びかけることで、本当に命を賭ける気がある人だけを、選(よ)り抜こうとしたのだ。
『人は自分が期待するほど、自分を見ていてはくれないが、がっかりするほど見てはなくはない』講談社
ある会社の社長の話だ。
昨年の3月11日の大震災の当日、
彼の会社は被災地から遠く離れていて直接大きな被害はなかったが、情報も不足し、
停電や余震も続き、日本中が大混乱に陥っていた。
その時彼は、本社に出社していて、各営業所と連絡を取ろうとしたが、当日は電話や携帯が不通で、
どの営業所ともまったく連絡が取れなかった。
動きたくても本社を離れられない彼は、不安で心配で、泣きたい気持になったという。
そうこうするうち、直属の部下のうちの一人が交通が混乱する中、本社に駆け付けてくれ、
その後すぐに各営業所をまわり、逐一報告してくれた。
しかし、もう一人の部下は出社しているはずなのに、連絡が取れず、
結局は次の日になって出社してきた。
なんと、地震が起きたので家に帰っていたという。
それを聞いたとき、「もう彼とは一緒に仕事ができない」と思ったという。
誰にも、人生の一大事というときがある。
その時、その瞬間の一大事に、駆け付けてくれるかどうか、は人生を左右するくらい大事なことだ。
「情けあるなら今宵来い。明日の朝なら誰も来る」
人間関係はすべからく、この今、この瞬間しかないのだ、と肝に銘じたい。 |
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