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2012.6.5

一生懸命生きとるかどうか

建築家の安藤忠雄氏の心に響く言葉より…

かつて関西に大勢おられた自由で豪胆な経営者たちとの出会いが私に与えた影響は計り知れない。
なかでも、サントリーの佐治敬三さんとの楽しい思い出は語り尽くせない。

出会ったのは1972年。
それ以降、年に1、2度だが、北新地でお目にかかるたびに、「ついてこい」と声をかけてくださった。

「人間、前を向いて生きていることが一番大切」
「ぶつかってもいいからとにかく自由にやれ」。
教わったことは数えきれない。

佐治さんは、私のことは何も聞かず、
ただ「人間として面白そうだから」という理由であちこち連れて行ってくださった。

お会いしてから十数年たったころ、「お前、建築家らしいな」という。

「知らなかったのですか」と問い返すと、
「いちいち学歴や職業など聞いておれん。一生懸命生きとるかどうか、それだけや」と言われた。

一度だけ、佐治さんと開高健さんがご一緒されているときにお会いしたことがある。
開高さんの「若者は全力で走れ」という一言は、今も深く心に残っている。

その後、佐治さんから7000坪の美術館の設計を頼みたいというお話があった。
当時の私は、最大でも300坪程度の建物しかつくったことがなかった。

依頼に来られる前に、「お前のつくったものを一つ見せろ」と言われるので住吉の長屋にご案内したら、
「狭いな、寒いな、不便やな」とだけ言ってさっさとお帰りになった。
これでこの話は終ったのかと思っていたら、翌日、連絡があり、私の事務所に行きたいとおっしゃる。

そして、「やはり、お前に頼む」と、正式に依頼された。

散々文句を言っていたのにといぶかしんだが、
「あの住宅には勇気がある。全力でつくっているのがいい」とのことだった。

佐治さんもそうだが、京セラの稲盛和夫さん、アサヒビールの樋口廣太郎さんなど関西の経営者は皆、
私に仕事を依頼される前に必ずご自身で事務所を訪ねて来られた。
わざわざ足を運んでもらうことに恐縮したが、何もねぎらいに来られるわけではない。

建築は規模が大きくなると、設計から完成まで5年以上の歳月を要する。
仕事をともにしようとする相手が、この先5年もつかどうかを、自分の目で確かめに来ているのだ。

物事の決定は他人に委ねない。
必ず自分で判断する。

私が出会った優れた経営者たちに共通した特徴だった。

依頼されたのは、サントリーミュージアム「天保山」。
経験のない規模に不安を感じた私を、佐治さんは「失敗してもええから、全力でやれ」と激励した。

『安藤忠雄 仕事をつくる』日本経済新聞社


安藤氏は、高校卒業後、独学で建築を学んだ後、世界的な評価を受ける異色の建築家となった。
イェール大、コロンビア大、ハーバード大の客員教授を経て、東大の教授に就任した。

目利きができない凡人は、その人の職業や、肩書き、学歴などで判断する。
真贋(しんがん)を見分けられる見巧者(みごうしゃ)は、
その人物が面白いかどうか、一生懸命かどうか、で判断する。

面白い人間か、つまらない人間かは、会って少し話をすれば分かる。
ただし、それは、その人物より力量が上の人にだけ言える話。

経験を重ねた真のリーダーは、世に埋もれている才能ある若い人を引き上げてくれる。
それが、芸術家あるいは、起業家の支援者である、パトロン。

「一生懸命生きとるかどうか」
目の前の仕事に、全力で立ち向かう人でありたい。



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