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2012.6.3

日本人へのメッセージ

経営心理学者の飯田史彦氏の心に響く言葉より…

日本が、世界に対して果たすべき、はるかに大切な使命があることに、お気づきですか?
それは、効率性よりも、幸福を優先することです。

効率的な生活と、安らかな命のある健康な生活と、どちらが大切ですか?

命に関わるものの経営においては、効率性は捨てるのです。
そのことを、世界に訴えていきなさい。

それが、この大震災を通じて、日本という国に与えられた使命のひとつなのです。
だからこそ、魂たちの学びの場である物質世界では、多種多様な試練の数々が、
一個人にも、家族や組織にも、そして国家にも、次々に現れるように用意してあるのです。

日本は素晴らしい国であり、日本人はもっと自信を持ち、誇り高く生きれば良いのです。

もちろん、世界のどの国も素晴らしい価値を持っていますが、その中でも、特に日本は、
『さまざまな価値のバランスをとること』の重要性を発信することによって、
世界を望ましい未来へと導く使命を担っています。

大震災の発生そのものは、地球の物理現象にすぎません。

しかし、その大震災や大津波の発生時期と発生場所に合わせるようにして、
いくつもの原子力発電所を建設することで、
人類の歴史に残る過酷な試練を体験できるようにしておいたのは、あなたがた日本人です。

その日本という国だからこそ、今回の試練から大いに学び、その学びを世界に向けて発信し、
地球で生きる人間にとって、本当に大切な価値観や思想方法が何であるのかを、
問いかけることができるでしょう。

いかなるテーマでもかまいませんから、国民が、きちんと国政に参加することです。
時間をかけて、国の経営に参加する国民たちを、育てていくのです。
国際的な視野と、さまざまな価値観のバランス感覚を磨きながら、
きちんと社会に参加する若者たちを、育てていくのです。

このたびの大震災は、日本国民が、自分と、自分の生活と、地域社会と、
国家との関係を再構築するための、最適な機会になったことでしょう。
大切なのは、常に未来なのです。

過去と現在から学び、未来へと活かしていけば良いだけのことです。
さまざまな価値のバランスを取りながら、命のために効率性を捨て、
戦いで命を奪い合うことのない世界を創造することに、挑戦するのです。

人間であることを誇りに思い、日本人であることを誇りに思い、地球人であることを誇りに思い、
この宇宙に存在していることを誇りに思って、努力し、挑戦するのです。
試練に感謝し、逆境を喜び、自分を信じ、あらゆることから学びながら、大いに挑戦するのです。

『生きがいの創造 W』PHP研究所


この文章は、飯田史彦氏がインスピレーションから得た、
震災後の日本人へ向けてのメッセージの一部だ。

日本は、バランスを重視する国。

たとえば、日本では、仏教や、神道を始め、さまざまな宗教が混在している。
正月には神社に初詣、お彼岸にはお墓参り、結婚式は教会だったり、クリスマスも祝うという、
それぞれが不思議なバランスで存在している。

対立ではなく、共存。
ひとつに偏(かたよ)ることを嫌う。

バランスとは、禅でいう、「両忘(りょうぼう)」だ。
白でも黒でも、どっちでもいいじゃないか、両方忘れてしまえ、いつまでもこだわるな、ということ。

日本では効率性が重視され、より能率的で、ムダのない合理性を追究してきた。
その結果として、原子力発電が選択され、それが今日に至るまで長い間、
日本の電力に貢献してきたことは確かだ。

しかし、いくら調和が大事だとはいえ、
一旦ことが起こり、命の危険にさらされることがわかったら話は違う。

生と死は共存できないからだ。

だからこそ、それがたとえ、ムダが多く非効率であっても、
生命の安全を優先する選択をすることがなにより必要となる。

日本人であることに誇りを持ち、この試練を乗り越えたい。



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