2012.5.17 |
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悲しいから泣くのではない
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佐藤富雄氏の心に響く言葉より…
「悲しいから泣くのではない。泣くから悲しいのだ」と、
ストレス学説の創始者、ハンス・セリエ博士は語っています。
この法則は、人生全般にあてはまります。
そしてこの法則に大きな関わりを持っているのが、言葉です。
相手を罵倒したり、傷つけたりするような言葉を放つと、相手ではなく、
それを言った本人がダメージを受けます。
昔から「言霊(ことだま)」と言うように、言葉には偉大な霊力が含まれていると考えられてきました。
坂口安吾の小説に、言霊の力を描いたものがあります。
迎合の天才だった豊臣秀吉は、「いよいよこれから大陸攻めですね」と口ぐせのように言っては、
織田信長を喜ばせていたというのです。
後に太閤となった秀吉は晩年、かつての口ぐせに復讐されるかのように、
意味のない大陸出兵を敢行して敗れます。
使ってきた言葉の数々、口ぐせを分析すれば、その人の今ある姿と未来の姿がわかります。
言葉の積み重ねが存在をつくっているのです。
人の姿は、その人の口ぐせの産物です。
いい口ぐせをたくさん持つことは、人生を成功させる一番の秘訣です。
つらい現実を「もうだめだ」と悲劇的に表現すれば、本当にだめになっていくでしょう。
でも、「大丈夫だ」と楽天的に表現すれば、不思議と何とかなってしまうものです。
言葉や口ぐせは、決して事実でなくてもいいのです。
ほめ言葉でも、感謝の言葉でも、とりあえず口にすることで、それが本物になっていきます。
反対に、年中「不安だ、心配だ」「どうしよう」「困った、困った」などと言っていると、
その不安や心配が現実化する確率は高まっていきます。
危機に直面したとき、窮地に陥った時、人が最初に考える言葉、最初に口にする言葉は何なのか、
私は大勢の人に聞いてまわったことがあります。
その結果、「何とかなるさ」「大丈夫」というものが最も多く、言葉の力で自分を奮い立たせ、
逆境を乗り越えることができたという例を多数聞くことができました。
逆に、倒産や自己破産などに追いこまれるという悲劇的な結末を体験した人々の第一声は、
「無理だろう」「私はもうできない」という答えがトップでした。
否定的な言葉を発すると、脳は残酷にも、ただちに「できない理由」を山ほど探してきます。
『佐藤富雄の「ツキ」の法則!』知的生き方文庫
困難な出来事に出会ったとき、「これはどうしたらできるのか」とできる理由を探す人と、
「これは難しい、なぜなら…」とできない理由を探す人と2種類の人がいる。
それは、日頃の考え方の習慣やクセによって決まる。
どんなふうに生きたいか、どちらの方向に進みたいかという、ベクトル(方向性)でもある。
ベクトルとは、北海道に行きたいと心の底から願っても、沖縄行きの飛行機に乗ってしまったら、
いくら頑張っても北海道には行き着かないということだ。
ベクトルがどちらを向いているかは、毎日の「口グセ」によって決まる。
「困った、困った」と言っていれば、困る方向にどんどん進み、困ったことが次々起こる。
肯定的なよき口ぐせを多く持ち、明るくて、夢のある方向に進みたい。 |
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