2012.3.26 |
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もてなしの心の原点
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小山薫堂氏の心に響く言葉より…
最近、海外の空港では、セキュリティチェックで靴を脱がせるところが多い。
自分は潔癖症ではないのだが、アレがどうも気になる。
だって、トイレから出た直後の人もいたりするのですよ。
その靴をトレーに載せ、裸足でセキュリティーチェックを受ける。
次の人は雑菌だらけのトレーにカバンを載せることになるし、靴下についた雑菌を持ち帰る人もいるだろう。
しかし、成田空港は違う。
きちんとスリッパが用意され、靴用のトレーも準備されていた。
自分が不快に思うことを、他人に味わってほしくない…
ここに、日本人の「もてなしの心」の原点がある。
日本人のDNAに刻みこまれている「もてなす」という能力は本当に高いと思う。
以前、修善寺の有名な旅館で体験した話。
長い時間書きものをするために、デスクを用意してほしいと頼んだことがある。
すると仲居さんは嫌な顔ひとつ見せず、畳の上に小さな絨毯を敷き、椅子とデスクをセットしてくれた。
感動したのはその先である。
僕がPCを使うことを見越して延長コードと電気スタンド、さらには広辞苑まで用意してくれたのだ。
リクエストにただ応えるのではなく、どこまで先を推測できるかが、もてなしの質につながってくる。
日本人は「もてなす」という才能に間違いなく秀でている。
これがこの国の立派な資源であることを、僕たちはもっと自覚すべきかもしれない。
『DIME 2012bO7』(幸せの哲学)小学館
もてなしの心の原点は、人が不快に思うだろうことを、先回りして解決すること。
「もてなし」とは、相手の立場になり切って考えることができる能力のことだ。
だから、何か一つ言われたことでも、相手の立場に立って、三つも四つも先回りして考えておく。
それも、「これをやっておきました」、などと主張することなく、あくまでも、さりげなく、
ひっそりとやるからその「もてなし」が光る。
日本人のDNAに刻み込まれた「もてなしの心」。
このよき資質を大事にし、さらにもっと磨いていきたい。 |
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