2012.2.11 |
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ユーモアという宝物
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川北義則氏の心に響く言葉より…
日本には落語という言葉を駆使した優れた笑いの文化がある。
落語はユーモアのセンスを磨くためには大いに参考になる。
「唯一の救いは、ユーモアのセンスだけだ。
これは、呼吸を続けるかぎりなくさないようにしよう」
アインシュタインの言葉だが、地球上の生物でユーモアという宝物を持つのは人間だけだ。
使わない手はない。
■第43代アメリカ大統領ジョージ・ブッシュは、
メジャーリーグのボストン・レッドソックスがワールドシリーズを制して、
メンバーがホワイトハウスを訪問した際、絶妙のジョークを披露した。
というのも当時、各メディアはブッシュ大統領の知性や知識、
さらにはボキャブラリーの貧困などをやり玉に挙げていたからだ。
メジャー制覇に貢献した松坂大輔投手を紹介するスピーチの際、彼はこういった。
「 英語で苦労しているという点では、私も大輔と同様だ」
■日本の電子部品会社に勤めているエンジニアの話である。
ある提案会議でのこと。
社長以下、重役たち全員が出席する会議の席で、いっこうに興味を示さない表情のメンバーに
向かって、彼は暴言を吐いてしまったのである。
「これを導入しないのは、バカと…」
会社のためを思う技術者としての情熱がいわせたのだが、明らかに勇み足である。
一度出てしまった言葉を飲み込むことはできない。
役員全員がいっせに彼をにらみ返した。
「空気が凍りつくとは、ああいうことをいうんですね」
頭が真っ白になってしまった彼を窮地から救ってくれたのは、
バカ呼ばわりされた役員を代表した当の社長だった。
「××君。君はいま、わが社の重大な秘密事項を漏らしたね」
ウイットの利いたこの言葉に、出席者たちは大笑いしたというのである。
このひと言をきっかけに、会議の空気は大いに和み、彼の提案を受け入れる方向に議論が進んだという。
『一流の人の話し方』アスコム
せっぱつまったとき、場が陰険(いんけん)になってしまったようなとき、
そこにちょっとしたユーモアがあると、雰囲気がガラリと変わる。
「憂うつ性の人が集まって、しめっぽい話をしている。
座はいよいよ打ち沈む。
ここに世に心配を知らぬ青年が、呵々(かか)と大笑して入ってくる。
一座は急に停電後点燈したように明るくなる」
《小林正観》
笑いは、全てを癒(いや)し、人の心を和(なご)ませる。
ユーモアという宝物を大事にしたい。 |
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