2012.1.31 |
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人前に出せるかどうか |
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川北義則氏の心に響く言葉より…
まともな人はほとんど口にしないが、大人が他人を評価するときによく用いるモノサシがある。
それは「この人間は人前に出せるかどうか」というものだ。
知り合ったとたん、「誰それを知っているから紹介してあげよう」などと、
自分の人脈をどんどん紹介してくれるようなら、
「人前に出しても大丈夫」と、上々の評価をしてもらえたと思っていいだろう。
極端な話かもしれないが、この評価の鍵を握っているのは何か。
礼節である。
礼節による人物評価は、上っ面だけに思えるかもしれないが、
世の中をうまく生きていくためには、必要不可欠なものである。
これを無視して、世間を渡っていくことはできない。
また、先輩がどこそこへと連れて行ってくれる。
若いうちは、そうやって幅広く、大勢の人に会って見聞を広めておかなければならない。
ところが、若い人たちの中には、礼節に疎(うと)い者をよく見かける。
たとえば、先頃もこういうことがあった。
出版社から編集長と若い編集担当者がやってきて、一緒に食事をしたときのことだ。
注文した品がテーブルに並べられると、年長者の私や編集長がまだ箸をつけていないのに、
若い編集者がさっさと食べ始めたのだ。
その人が礼節を心得ているかどうかは、食事のときにいちばんよくわかる。
もちろん食事に限ったことではない。
ビジネスでは身だしなみから始まって、挨拶の仕方、アポイントの取り方、
訪問先でのふるまい方、名刺交換のやり方などなど、礼節にかかわることがたくさんある。
社会人になったら基本マナーだけは身につけておく必要がある。
イロハさえ覚えておけば、「人前に出しても大丈夫だな」と思ってもらえる。
本来、礼節というのは、子供の頃から親がちゃんとしつけなければいけないことだ。
私たちは小さい頃から、家庭で箸の上げ下ろしから来客への挨拶の仕方、
口の利き方などをやかましく注意されて育った。
戦後は核家族化したこともあって、家庭のしつけがいい加減になってしまった。
『息子へ 娘へ 若き君たちに贈る25章』経済界
もし、自分が人に紹介されないタイプの人間なら、礼節がないか、魅力がないか、のどちらかだ。
若いうちは、魅力などより、礼節が最も重視される。
地位があるような年長者と食事を一緒にするような場合、
口の利き方や、挨拶、服装、年長者への気の使い方などができない若い人は、呼ばれることはない。
礼儀や基本のマナーは一朝一夕にはできない。
特に食事などで気になるのは、ひじをついて、猫背で食べる人だ。
箸を持ったまま話をしたり、食事中に席で携帯で電話をしたり、メールを打ったりする人もみっともない。
礼節を身につけ、多くの人に紹介される人でありたい。 |
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