2012.1.13 |
|
ボケない人 |
|
竹村健一氏の心に響く言葉より…
脳の中で糸くずのような形状でたまるもの、
肌でいえば、老化によってできる“老はん”にあたるものが「タウたんぱく質」である。
この「タウたんぱく質」という物質が脳の神経細胞にたまってくると、
老化に伴い、もの忘れの原因になる、という。
この「タウたんぱく質」は老化だけではなく、ある酵素によって、蓄積していく。
この酵素をもたないマウスを迷路に置いて実験したのが、
理化学研究所脳科学総合研究センターの木村哲也さんたちの研究チームである。
「新しい知識を吸収せず、新しい経験もしない単調な生活を続けていると、
老化によるもの忘れが進む可能性がある」というものだ。
新しい記憶を増やしていくと、この酵素の働きが抑えられる。
どんどん新しいことを覚え、新しい経験をして適度に働きを抑えた方がいい、ということである。
つまり、新しい知識や経験を増やすには、固定観念にとらわれないで、
フレキシブルな発想ができるようになる必要があるということだ。
たとえ、高齢になっても、いつも新しい視点をもっていて、新しいものに興味を持って取り組む人がいる。
こういう人はボケないし、ますますパワフルな老人になれる可能性大である。
広い範囲での読書を励行し、さまざまな分野の人に出会い、触発されることが、大切だ。
『先見力』青志社
北京原人の発掘者として知られるフランスの人類学者ティヤール・ド・シャルダンは
人間の力を引き出すために、否定の哲学を否定し、肯定の哲学を唱えた。
シャルダンの唱える肯定の哲学とは、三つのVと三つのCで象徴される。
三つのVとは、バイタリティー、ビジョン、ベンチャー。
三つのCとは、チャンス、チェンジ、チャレンジのことである。
《感奮語録》(行徳哲男)より
ベンチャーとは、冒険のこと。
バイタリティ(活力)があり、ビジョナブル(野望的)になれば、人は冒険的になれる。
そして、チャンスを常にうかがい、チェンジ(変化)することを恐れない人は、
いくつになっても人生のチャレンジャー(挑戦者)だ。
冒険を忘れ、変化を恐れ、チャレンジすることをあきらめてしまった人は、
たとえ年齢が若くても、すでに老化が始まっているといわざるをえない。
子どものような好奇心を持って、時代の変化を楽しみたい。 |
|
|