2012.1.7 |
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どんな態度で仕事をするか |
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「フィッシュ!」の中から、心に響く言葉より…
『仕事そのものは選べなくても、どんなふうに仕事をするかは自分で選べる』
どんな仕事をするか選ぶことはできる。
でも与えられた責任やほかの要素を考えると、仕事をやめるのはあまり賢明ではないかもしれない。
選べないというのはそういう意味だ。
一方、どんな態度で仕事をするかは、いつだって選べる。
毎日魚市場へくるときに、各自がある態度をもちこむことにぼくたちは気づいた。
不機嫌な態度をもちこんで、憂うつな一日をすごすこともできる。
ふてくされてやってきて、仲間やお客にいやな思いをさせることもできる。
あるいは明るい朗らかな顔であらわれて、一日を楽しくすごすこともできる。
どんな一日を送るかは、自分で選べるんだ。
それについてみんなでさんざん話しあって、どうせ仕事にくるなら、
できるだけ楽しくすごしたほうがいいと気づいた。
ぼくたちはその選択についてすっかり興奮して、ついでに世界中で有名になろうと決めた。
魚市場の仕事は寒くて、びしょびしょで、くさくて、汚くて、やりにくい。
でもその仕事をするあいだにどんな態度をとるかは選択できる。
理解するのは簡単でも、実行するのはそうたやすくはない。
ぼくたちは一晩でここをつくりあげたわけじゃない。
一年近くかかった。
ぼく自身、すごく扱いにくい人間だった。
不満だらけでね。
私生活もめちゃくちゃだった。
これまでとはちがう魚市場をつくろうという話になったとき、
毎日をどうすごすか自分で決められるという考えに抵抗した。
自分が被害者だと思ってるほうが楽だったんだ。
『フィッシュ!』早川書房
多くの人は、今の仕事が天職であるかどうかを悩む。
他にもっといい仕事があったのではないか、と。
文句や愚痴を言えば、仕事が簡単になったり、楽しくなるのなら、大いに言えばいい。
しかし、文句を言えばいうほど、まわりも自分も嫌な思いをするだけで、ますます暗くなり、元気がなくなる。
どんな業種の仕事につこうと、何でもうまくやってのける人は、仕事を道楽化してしまう人だ。
道楽化とは、趣味のようにそこに楽しみを見つけ、面白がってやること。
つまり、仕事は何であれ、「どんな態度で仕事をするか」が大事だということだ。
楽しんでやるなら、それが天職となる。
どんな態度で仕事をするか、人は試されている。 |
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