2012.1.5 |
|
どれだけおもしろく仕事の話ができるか |
|
日垣隆氏の心に響く言葉より…
夫婦には二通りあると、私は思っています。
一つは、夫が自分の仕事について妻にまったく話さないという関係。
もう一つは、職場の人間関係から取引内容まで、微に入り細をうがってペラペラしゃべる夫婦。
妻と夫を入れ替えてもいいでしょう。
これはもちろん、夫婦仲のバロメーターです。
普段まるで話をしていないと、いざというとき相談できなくなってしまいます。
リストラされそうになった、急な転勤を命じられたというとき、妻にそれを告げると、
「じゃあ、辞めれば?」とあっさり結論を下されたり、「あっ、そう」と軽く流されたりします。
この仕事にどれだけ力を注いでいるか、自分は職場でどういう役割を果たしているか、
転勤を命じられたこと自体より信頼していた上司に言われたことが、ショックだった、
などというディティールは、毎日話をしていないと伝わりません。
悩みを打ち明けるには、共通の基盤が必要ですから、
普段、仕事についてしゃべらないでいると人生についての相談もできない
という状況まで引き起こす可能性があります。
仕事について話すか否かは、自分自身がどれだけ仕事をおもしろく思っているかのバロメーターでもあります。
まったく話さないという人に理由を尋ねると、決まって返ってくる答えがあります。
「言っても、どうせわからない」
しかし、言ってもわからない状態にした張本人は、その人自身です。
妻でも夫でも恋人でも、部外者に説明する際には、不可欠な要素がいくつかあります。
まず、自分の仕事がどういうものなのかを自分自身、理解していること。
次に、それをきちんと説明する言語能力。
さらに、利害関係がないプライベートな間柄の相手にも興味をもって聞いてもらえる、話のおもしろさ。
何より、自分自身「仕事がおもしろい」と思っていなければ、仕事を理解することも、
おもしろく説明することもできません。
もし、仕事がおもしろくてたまらなければ、誰かに話したい、わかってもらいたいと思うはずです。
夫婦に限らず、部外者にどれだけおもしろく仕事の話ができるか試してみましょう。
『ラクをしないと成果は出ない』大和書房
仕事の話を部外者にもわかるように、面白おかしく話ができる人は仕事が好きな人だ。
仕事がつまらないと思っている人が、仕事を面白そうに、楽しく話すことはできない。
仕事をやらされていると思ったら、楽しむことはできない。
「随所作主 立処皆真」(臨濟録)
随処(ずいしょ)に主となれば、立処(りっしょ)みな真なり
自分の与えられた立場において、我が事として主体性を持って精一杯やるならば、必ず真実にめぐりあえる。
他人事(ひとごと)の「人生」や、他人事の「仕事」は、誰の胸にも響かない。
「どれだけおもしろく仕事の話ができるか」は、どれだけ仕事が好きかどうかのバロメーター。 |
|
|