2011.12.23 |
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負ける訓練 |
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小林正観さんの心に響く言葉より…
これから「後だしジャンケン」をしたとします。
私が「ジャンケンポン」と言ってグーを出すので、みなさんは一秒後に「ポン」と言ってパーを出してください。
簡単ですね。
5回やったらほぼ全員の方が5連勝できると思います。
では今度は、後だしジャンケンで負けてください。
すると面白いことに、5回やって5連敗できる人は、半分ほどしかいません。
勝つ訓練ばかりやって生きてきたからです。
「勝つぞ」という意識のとき、15%の能力しか出ませんが、負けてもいいや、勝つ必要はない、
いやむしろ負けちゃおうというときは、ぜんぜん緊張しないので(緊張すると脳波はβ波になります)、
α波とθ波が出て、85%の脳細胞が目覚めてくるのです。
実は、人生において、「勝ち負け」「勝利」「成功」というものを、頭の中から全部取り去ってしまったほうが良い。
そんなものは何の意味もない。
ジャンケンをして、勝ったほうがイニシアチブをとるという文化は20世紀で終わり。
勝ったほうが優位に立つということ自体が、宇宙の本質ではないからです。
『究極の損得勘定』宝来社
我々は子供の頃から、勝つための訓練ばかりしてきた。
勉強も、スポーツも、他の誰かと比べ、競争する。
競争では、勝った人は偉い人だが、負けた人はダメな人、という意識がたえずある。
勝つことばかりを目指してきた人は、勉強やスポーツ、あるいは仕事で負け続けると、落ち込んで
しまい、最後には心まで病んでしまうこともある。
相田みつをさんの詩から…
「つまづいたり ころんだり したおかげで
物事を深く考えるようになりました
あやまちや失敗をくり返したおかげで
少しずつだが
人のやることを 暖かい眼で
見られるようになりました」
人生を生きるための大きな目的の一つは、「人様に喜んでもらい、お役に立つこと」
人に喜んでもらうのに、勝ち負けはない。
「勝つこと」ばかりでなく、「負ける」ことも知る人には、深くて、限りない魅力がある。 |
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