2011.12.16 |
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言葉のサプライズプレゼント |
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森毅氏の心に響く言葉より…
ぼくは、7割は「めっけもんの精神」で臨むようにしている。
人間関係にしても、本にしても、何でもいいところをなるだけ見つけるように努めている。
といっても、四六時中、相手のいいところを強迫観念にうなされるように探しているわけではない。
できれば、こいつの気に入れるところを見つけようやないか、という軽いノリである。
もし見つかれば、それこそめっけものといった感じがよい。
相手のいいところをなるべくなら発見して自分の役に立てようと思えば、おのずと知恵も沸いてくる。
ほめ方の極意というのを考えた。
たとえば、売出し中のアイドル女優で、目がチャームポイントだったら、
相場相応に目をほめていれば、まあ間に合う。
ところが大女優で目をほめられつづけた人に、今さら目をほめてもしょうがない。
本人が実は、唇(くちびる)も魅力的だと思っているところに、
「あなたの唇はステキですね」
と言うと、相手はものすごく喜ぶ。
それからもっといいのは、本人が意識していないのに、
「あなたは唇がステキなのよ」
と言われると、大女優でも家に帰って鏡を見るだろう。
だから、相場相応は「並」のほめ方、本人が隠しているところを、うまくほめるのが「上」のほめ方、
本人も気がつかなかった魅力をほめるのは「特上」のほめ方、とこう考えたわけ。
『一刀斎、最後の戯言』平凡社
心理学の交流分析(TA)の考え方の中に、「ターゲットストローク」というものがある。
「ターゲットストローク」とは、相手の核心をつくようなほめ言葉であり、
相手が心から納得するようなその人を認める言葉だ。
自分が思ってもみなかったようなところをほめられると、天にも昇るような幸せな気持になることがある。
「ああ、私のことをよく見てくれていたんだな」と。
その人が今、何に興味や関心があるのか、喜ぶことは何なのかを知ることはとても大切だ。
それは、プレゼントをするときにも似ている。
プレゼントを贈るときは、相手のことをよく知らないと、
がっかりさせるようなものを選んでしまい、サプライズにはならない。
究極のほめ言葉は、相手の心に響く、「言葉のサプライズプレゼント」。
どんなときでも相手を喜ばせる気持を忘れない、ほめ上手な人でありたい。 |
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