2011.12.2 |
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自分が銀行家だったら |
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斉藤一人さんの心に響く言葉より…
仕事によっては、どうしてもお金を借りなきゃいけないようなものもあるんだよ。
だけど、飲食店だとか、ちっちゃい仕事だとな、そんなに借りる必要はないんだよ。
でな、店がうまくいくと、銀行はお金を貸してくれるんだよ。
それで、「店をだしましょう」「ビル建てたらいかがですか」「土地を買ったらいかがですか」とか、
いろいろいわれるんだよ。
いわれるままにしていたら、ガサはでかくなってくるよ。
お店もたくさんあったり、いろんなものを持ってるんだよ。
だけど、現金がない。
しかも、銀行のために働くようになっちゃうんだよ。
最終的に、誰のために働いてんですか?ってことになっちゃうんだよね。
それって、苦しいだけだよね。
「それが私の趣味なんです」っていうなら、いいんだよ。
ただ、オレが「マヅイな〜」って思うのは、「まさか、こんなことになるとは思わなかった」っていう、
そういう人生が一番マズイ生き方なんだと、オレは思うんだよな。
借金は極力しないほうがいいよな。
確かに、借金しながらやると、店舗展開も速いんだよ。
だけど、オレは絶対に借金はしないんだよ。
だって、商売ってさ、お金儲けなんだよ。
商人って、お金儲けの達人なんだよ。
そのお金儲けの達人が、なぜ、現金を持ってないんだ。
なんで、借金があるんだ。
おかしいだろう。
それで、経営が甘くなっちゃう理由は、税金を払わないことを得だと思っているからじゃないか。
って、オレは思うだよな。
儲かってくると、給料で分けちゃおうとか、飲みに行っちゃおうとか、
何かに使って赤字スレスレにするのが、最高の経営だと思ってるんだよ。
でも、そんなことしたら、何かあったとき、予備のお金がないんだよ。
「そのときのために銀行と取引してればいいんだ」っていうけど、銀行は金融のプロ、金貸しのプロなんだよ。
「取引していれば信用がつく」っていうけど、ずっと長々、取引しながら、貯金もないとこを、
銀行が信用してるワケがないんだよ。
「この人間をお客にしてお金がとれるかどうか」だけ見てるんだよ。
そういう仕事なんだよ、銀行って。
それがいけないんじゃないんだよ。
そういう仕事なんだよ。
銀行が急に薄情になったんじゃない、昔っからそうなの。
そういうものなんだよ。
そういう目にあいたくなかったら、貯金してればいいの。
「信用ついて、銀行からお金を借りられるんです」って、商人が金貸しにお客にされたら終わり。
銀行は「あそこは、お金貸しても、きちっと返すから信用ある」とかって、腹んなかでは思ってないんだよ。
銀行にとって、ちょくちょく金を借りにくる人間は“いいお客さん”。
だって、金利がつくからな。
だけど、信用はない。
信用があるのは無借金の人、無借金のうえに貯金がある人はもっと信用がある。
で、一番信用のある人は、無借金のうえに、どんどん貯金を増やしていく人。
これが、本当の信用なの。
わかるかい。
銀行にとって、借金するお客は都合のいい人間だから、ほめてくれるよ。
だけど、腹んなかではそう思ってない。
もし、自分が銀行家だったらと仮定して、考えてごらん。
ま、すでに借金しちゃった人は、とっとと返す。
どうしても、しょうがなくて借りたんなら、ものすごい勢いで返して、
今後、金利のつかない自分の金で、商売することだな。
『斉藤一人 商人道』(尾形幸弘)PHP研究所
借りたものは、いつか返さなければならない。
それが、銀行からの借金だと、返すことを忘れ、借りられたことを喜ぶ人が多い。
銀行から、「信用があると認められた」、と思ってしまうからだ。
なんでも、相手の立場になってみればわかるが、銀行には銀行の立場がある。
銀行にとっての上得意は、多くお金を借りてくれて、多く金利を払い、
決められた額を決められた期間でキッチリ返してくれる人。
「鴨(かも)がネギ背負(しょ)ってくる」という言葉があるが、上得意はカモと同義語だ。
それは、銀行が悪いわけでは決してなく、借りる方がただ単に「甘い」だけのこと。
銀行が貸してくれなければ、お金がなくてもやれる方法を必死で考える。
無借金の上に、銀行にどんどん貯金を増やすことのできる「信用のある人」でありたい。 |
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