2011.11.26 |
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スランプ対処の極意とは |
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日本将棋連盟会長の米長邦雄氏の心に響く言葉より…
スランプという不運な状況は、誰にでも訪れるものである。
しかし、よく観察すると、スランプとは呼べないケースが少なからずあることに気づく。
それは、そもそも実力がない、というケースである。
本人が持っている能力をすべて発揮しても、なお勝てないのは、「弱い」からである。
これをスランプだと勘違いすると、そのまま立ち直ることなく終わってしまう。
まずは、自分に力が足りないことを現実として受けとめ、弱いのだと自覚し、
それから勉強の仕方を変えて一からやり直していくべきであろう。
では、本当のスランプとはどういうものなのか。
それは、自分が持っている能力を全部出しきれない場合である。
本来は実力があるのに、「あんな相手に負けてしまった」「勝率が落ちてしまった」といったことである。
これに気づくのは、強い人、実力のある者ほど早い。
手当ても簡単にすませることができる。
その処方箋は人によってさまざまであるが、一般的なやり方としては、自分に関してあらゆる面を
点検し、何がいけないのかを突き止め、直すべきところは直すことである。
スランプを引き起こした何らかの原因を真摯に反省し、生活を改めるのである。
しかし、即効性があるとはいえない。
では、即効性のあるスランプの特効薬とは何か。
それは「笑い」である。
これは、スランプへの対処法として極意ともいえる。
好きなことを思い切りやって、腹の底から笑い、頭の中をからっぽにすると、
すっきりとした明るい気分になり、スランプであること自体を忘れてしまうものである。
『不運のすすめ』角川oneテーマ21
明治の文豪、夏目漱石は、神経衰弱やうつ病を患っていたという。
それを治すのにおこなったのが、寄席で落語を聞くこと。
「パニック時の特効薬は笑い」、と言ったのは、危機管理のスペシャリスト佐々淳行氏。
危機管理の専門家たちは、洋の東西を問わずみな、ブラックユーモリストで、
とんでもないときに、みんなを笑わせるという。
笑いは、恐怖や緊張を紛(まぎ)らわせ、
絶望の底に沈んでいる人でさえ、よみがえらせることができる。
「笑いはすべてを癒す」
どんなときでも、ユーモアを忘れず、笑い飛ばしてしまう、どこか突き抜けた人でありたい。 |
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