2011.11.21 |
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君はここからどういうことを学び取ったかな? |
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ジョン・C・マクスウェル氏の心に響く言葉より…
最近、私はウォルマートの前社長ドン・ソダークィストにある話を聞いた。
あるとき、彼は新店舗開店のため、アラバマ州ハンツヴィルを創業者サム・ウォルトンと共に訪れていた。
ウォルトンはライバルの様子を見に行こうと提案した。
引用しよう。
ある店に入っていくと、それは私の人生で目にした中で最悪の店だった。
とにかくひどかった。
客は一人もいない。
フロアには店員の影もなく、通路には商品が散乱し、棚は空っぽで薄汚れ、とにかくひどいものだった。
彼(ウォルトン)は一つの通路を、私は別の通路を通り、通り抜けたところで顔を合わせると、
彼は「どう思う、ドン」と言った。
「どう見ても、これはいままで見た中で最悪の店ですよ。通路を見ましたか」と、私は言った。
「パンティストッキングの棚を見たかい?」とサム。
「いいえ、見ていません。通ったところが違いますから、私はみていません」と私。
「あのパンティストッキングの棚は、私がいままで見た中で最高だよ。
棚板の裏にメーカーの名前が書いてあったから、本社に戻ったらそのメーカーに連絡して、
うちの什器担当の人間と会って話すように手配してくれ。
あの棚をうちにも入れよう。
絶対あれはいままでで最高の棚だよ。
ところでエスニック化粧品(非白人向け化粧品)は見たかね」と、彼は続けた。
「私は全然気がつきませんでした」
「うちの店の棚の三倍はある。
どう見てもわれわれはチャンスを逃しているよ。
いくつか化粧品メーカーを書きとめておいたから、帰ったら化粧品のバイヤーと会って話をしてみてくれ。
この分野はぜひ拡張しなければならない分野だな」
さて、サム・ウォルトンは、私の頭をこづいて、
「君はここからどういうことを学び取ったかな?」と言ったわけではないが、
どうすればよりよい店に改善できるかを示して、私の目を覚まさせた。
他人のあら捜しをするのは簡単なことだ。
そして、卓越したヴィジョンを持つリーダーの特徴とは、他人の仕事の長所を見つけて生かすことだと確信した。
前向きに考え、可能性を見つけるために必要なのは、天才的IQでも、20年の経験でもない。
必要なのは、それにふさわしい“姿勢”である。
そして、それは誰でも身につけることができるものである。
『その他大勢から抜け出す 成功法則』(齋藤孝訳)三笠書房
人は短所や欠点を見つける天才だ。
「自分の長所をいくつも挙げなさい」、と言われるとなかなか出てこないが、
「短所を挙げよ」ならスラスラと出てくる。
ライバルの店や競合店を見たときは、どうしても欠点に目がいく。
たいていは、帰ってきて、「そんなに、たいしたことなかった」という報告になる。
どんなに嫌いなタイプの人と会おうとも、閑古鳥が鳴いている店に行ったとしても、
そこから学ぶ姿勢がある人は、成功への道を歩く人だ。
「そこから何を学ぶか」という姿勢がない人は、そこにどれほど素晴らしい宝の山があろうと、見過ごしてしまう。
どんな「考え方」を習慣にするかどうかで、人生は決まる。 |
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