2011.11.9 |
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論語の一句 |
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立命館大学の加地伸行教授の心に響く言葉より…
江戸時代には庶民から君主まですべて、『論語』を読んでいました。
この修養の力が明治維新へと繋がっていきます。
『論語』には優れた言葉がたくさんあります。
特に社会のリーダーといわれる人たちに、せめて『論語』の一句だけでもいい、
己の心に響くものを徹底して読み込んで自分のものにしてもらいたいと願っているんです。
私のおすすめの句は二つありまして、一つは
「辞(じ)は達するのみ」
言葉は飾り立てるのではなく、真心込めて相手の心に届くように言えという教えです。
その言葉はまっすぐなので、時には相手を不愉快にさせてしまうかもしれない。
だけどそれが真心から発したものであれば、相手は必ず分かってくれると思うんです。
もう一つは
「徳、孤(こ)ならず。必ず隣(となり)有り」です。
真心を持って本気で生きていたら、たとい一人、二人でも自分の思いを理解してくれる人が必ず現れます。
孔子もまたそれを望んで生きていたに違いありません。
『月刊致知 12月号』(対談・石平&加地伸行)致知出版社
「辞(じ)は達するのみ」
どんなに素晴らしい言葉を並べ立てたとしても、それが相手に伝わらなければ無いのと同じ。
難しい言葉や横文字を使うより、むしろ、易しい言葉、誰にも分かる言葉を使うのがポイントだ。
井上ひさし氏の言葉にあるように、「むずかしいことをやさしく やさしいことをふかく」だ。
「徳、孤(こ)ならず。必ず隣(となり)有り」
混沌とした時代になればなるほど、商売や経営には、徳が必要だ。
徳があれば、孤立することはなく、必ず応援してくれる人が現れる。
『正しきによりて滅ぶる店あらば、滅びてもよし、断じて滅びず』(新保民八)という言葉がある。
現代のようなデフレの時代においても、原材料が上がってしまった等で、
散々手を尽くしてもかなわず、時として値上げをしなければならないこともある。
しかし、たとえ一時(いっとき)顧客が離れるようなことがあったとしても、
いつか必ず分かってくれるときがくると信じて断行するしかない。
安く売らんがために、商品の日付をごまかしたり、材料を偽造したりする会社が後をたたないが、
そんな会社は必ず滅びる。
いつの世も必ず、嘘はバレ、秘密は露見するからだ。
心の支えとして、論語の一句を身につけたい。 |
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