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2011.10.14

ソムリエの「言葉にして伝える技術」

田崎真也氏の心に響く言葉より…

ソムリエの仕事には、「言葉」が非常に重要な役割を果たしています。
言葉は、実はソムリエにとって、切っても切り離せない、言ってみれば仕事の大切な道具なのです。

僕は、一年間に一万種以上のワインの試飲をします。
それらのワインの特徴を記憶するための方法は、視覚、嗅覚、味覚、触覚、聴覚といった、
五感をフル稼動させて、感じとったことを言葉に置き換えることから始まります。

ワインの外観には、視覚を使います。
色合いの微妙なニュアンスの違いを、宝石の色などにたとえます。
アルコールのボリュームを知るために、液体の粘着性を観察し、言葉で表現し、
液体の清澄度合いも言葉に置き換えます。

ワインの香りは、嗅覚で感じた香りをいろいろなものに置き換えて表現します。
果物や花、スパイスやハーブ、木や土などにたとえます。
その数は500以上にも及びます。

ワインの味わいには、味覚や触覚を使います。
甘味、酸味、塩味、苦味、旨味の五味のバランスを表現します。
ワインの温度や赤ワインに含まれるタンニンからの渋みや、発泡性ワインの泡の刺激は、
口中での触感でとらえ、言葉にしていきます。
また、発泡性ワインの場合には、聴覚を使って泡の状態を確認することもあります。

では、なぜソムリエは、五感で感じたことを言葉に置き換えるのでしょうか。
五感で受け止めた感覚は、潜在的な記憶にとどまることがあっても、それだけでは、
自由自在に引き出せる記憶にはなっていません。

いつでも思い出し、より明確に呼び起こすためには、言葉が必要なのです。
ワインを一種類ずつ、五感のセンサーで受け止めた感覚を左脳で判断し、言語化し、記憶し、
それを整理しデーターとして蓄積することにより、容易に検索するための手助けとするのです。

そして、その言語は他人と共有できなくては意味のないものであり、
英語やフランス語などと同じように単語の意味を知り、文法を学び、使いこなして行きます。
こうすることで、世界中のワイン生産者やソムリエの間で有効なコミュニケーション・ツールとなるのです。

『言葉にして伝える技術』祥伝社


田崎氏は、たとえばテレビのレポーターが、おいしい肉料理を食べたときに、
「やわらかくて、おいしい」という表現が常套句(じょうとうく)となっているが、
これは、触感による感覚のことしか表現されていないという。

嗅覚や味覚…つまり、香りや味がどうなのかがまったくわからないので、相当に不十分な表現だという。
同様に、「こんがりきつね色」「肉汁がじゅわっと広がる」「バターを贅沢に使った」
「プリプリした」「脂がのっている魚」…

我々は、思い込みや、印象、古くからの言い回しを、考えもしないで使うことが多い。
特に、五感による表現は慣れていない。

五感を鍛えるのに一番よい方法は、嗅覚だと、田崎氏は言う。
箱の中に入った野菜を、目隠しして当てる実験をした場合、
野菜をジュースにして(鼻をつまんで)飲んだ味覚も、手で触った触覚も、
嗅覚以上に当てになることはなかったからだという。

五感の中で、他の動物に比べて圧倒的に劣っているのが、嗅覚。
嗅覚は、動物にとって、身の安全を守るために不可欠の感覚だが、
安全に慣れきった現代人は退化してしまった。

我々は、もっと五感を研ぎ澄まし、表現力豊かな人を目指したい。



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