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2011.10.12

いつまでたっても勉強は必要

川北義則氏の心に響く言葉より…

勉強するのは「学生時代」、と思っている人がけっこういる。
現代では、それは間違いだ。
大人になっても、常に勉強していないと、世の中の変化についていけない。

高度成長時代まではそうでもなかった。
学校の勉強をしっかりやって世の中に出れば、後はその遺産で何とかやっていけた。

いまもそんな考え方でいたら、あっという間に世の中から置いていかれてしまうだろう。
この変化はいったい何なのか。
成長社会から成熟社会になったからだ。

「みんなと一緒の時代には正解はひとつしかなく、その正解を当てる情報処理能力が求められた。
しかし、いまは違う。
知識や技術、経験をぜんぶ組み合わせて、他者が納得できる解を見つけ出す情報編集能力が大事」
(杉並区立和田中学校元校長・藤原和博氏)

成長社会では、共通の目的に向かってみんなが一直線に進んでいけた。
価値感を共有できる社会だったからだ。
だが成熟社会になると、価値感は多様化する。
その変化に一定の適応ができないと仕事もうまくいかない。
そのためには勉強が欠かせないのだ。

勉強が必要なもう一つの理由は、第二の人生を充実させるためである。
現役時代に仕事一筋できた人ほど、リタイアしてから腑抜けになる人が多いのは、
仕事にかまけて勉強を怠ったからだ。

江戸時代の儒学者・佐藤一斎に次の言葉がある。
「小にして学べば壮にして為すあり。壮にして学べば老いて衰えず」
いくつになっても好奇心を失わず、学ぶ姿勢を持ち続けたいものだ。

『人生はすべて「逆」を行け』ダイヤモンド社

社会が成長している時は、覚えたことや習ったことを正確に再現するレコーダー的能力があれば、
ある程度成功できた。
過去の経験則や、同業者や競争相手の成功事例を踏襲すれば成功したからだ。

しかし、現代のような変化のスピードの速い成熟社会では、価値観は多様化し、「解」はひとつではない。
成熟期とは、市場が飽和状態のときであり、停滞期でもある。

多様な価値感の中で成功するには、新しいものを考え出す創造力が必要となる。
創造力とは、様々な知識や情報を組み合わせて新しいものを作り出すという、編集能力のことでもある。

佐藤一斎の言葉は、正確にはこうだ。
「少(わか)くして学べば壮にして為すあり。壮にして学べば老いて衰えず。 老にして学べば死 して朽ちず」

若いころから学べば、働き盛りの壮年になって大きなことを成し遂げることができる。
壮年になって学べば、年老いても衰えることなく活躍できる。
老年になってから学べば、死んだ後もその業績は朽ち果てることなく後世に残るだろう。

人生はいつまでたっても、勉強が必要だ。



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