2011.9.21 |
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ステーキを売るな、シズルを売れ |
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E・ホイラーの心に響く言葉より…
「シズル」とは、ステーキをジュージューと焼く、あの音だが、ここで「シズル」というのは、
あなたの売り込みの中の最大のセールスポイント…
いいかえるなら、お客がそれを買いたくなる主要な理由のことである。
気のきいたウエイターなら、シャンペンを売るのではなく、シャンペンの泡を売るのだということをよく知っている。
食料品店の店員は、コーヒーを売るのではなく、その風味を売っている。
チーズが売れるのは、その匂いのせいだ!
保険のセールスマンは、危険に対する安心感を売る。
どんな自動車のなかにも、どんな保険のなかにも、どんな食品のなかにも、どんな化粧品のなかにも、
人々がそれを買おうと思う理由がひそんでいるものである。
このような理由を「シズル」と呼ぶ。
「ステーキを売るな…シズルを売れ!」
そして、同時に「シズル」をショーマンシップで援護することだ!
例えば、「お誕生日おめでとう」という場合でも、花束をそえてそういえば、
あなたの気持がよりよく相手に通ずるものである。
「花をそえて」とは、あなたのいうことに証拠をそろえよ、ということである!
あなたの動作や表情であなたのいうことを補強しなさい、といっているのだ。
『ホイラーの法則』ビジネス社
落語に「鰻のかざ」という噺がある。
あるケチな男が、鰻屋のとなりに引っ越してきて、毎日その鰻を焼く匂いをかいで、ご飯のおかずにしていた。
月末になり、となりの鰻屋から、請求書が届いたので中を見ると、
そこには「鰻の匂いかぎ代」が請求されていた。
「よし払ってやる」、とそのケチな男、ジャラジャラと銭を放り投げると、
「銭は取っちゃいけねぇ、音だけ聞いて帰えんな」。
「かざ」とは、「香気」と書いて、いい匂いや、いい香りのこと。
飲食店では、昔からこのシズル感を売ってきた。
焼肉家さんの肉の焼ける香ばしい匂い。
キッチンで調理するとき一瞬の間、立ち上る炎。
夏の暑い日に、キンキンに冷えたビール。
熱々の湯気のあがっている鍋。
人は、料理を食べるときには、五感をフルに使って食べる。
五感とは、視覚(見た目)、触覚(食感や手で触った感じ)、嗅覚(におい)、味覚(おいしさ)、聴覚(音)の五つ。
人を楽しませたり、サプライズするとき、さらにあるといいのが、この「シズル」。
花束も、笑顔も、プレゼントも、音楽も、みんな人を喜ばせるための「シズル」。 |
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