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2011.9.18

昼行燈になること

会田雄次氏の心に響く言葉より…

日本には二種類の人間関係があります。
『表口』の人間関係と、『裏口』の人間関係とでもいえばいいでしょうか。
そして、日本的指導力にとってはこの『裏口』の人間関係が非常に重要な意味をもつのです。

『表口』の人間関係とはいわば建前、きれいごとの人間関係です、
理解による人間関係といってもいいでしょう。

それに対して『裏口』の人間関係というのは、ホンネの人間関係、
至らない同士がいわばお互いの『業』を許しあう人間関係です。
無礼講による人間関係といってもいいでしょう。

こういう『裏口』の人間関係、無礼講の人間関係はヨーロッパには乏しい。
なにしろ、父親が子どもと会食する場合にもネクタイを着けるくらいですから…。

『裏口』の人間関係は、建前を離れた赤裸々な人間のふれ合い、いわば弱点のふれ合いになります。
そして日本人が、「この男はちょっと裏切れないぞ」と感じたり、
「この人のためなら場合によっては命を捨てても…」と思ったりするのは、
表口の関係よりも、『裏口の関係』を通じてのほうがはるかに多いのです。

日本では指導者はこの裏口の人間関係で自分の弱みや欠点を部下にみせ、
同時に部下の弱みや欠点をおおらかに許容してやらなくてはいけない。

能力だけを認めてくれているのなら、
それをもっと高く買ってくれる人があればそちらにいってしまうでしょうが…。

ヨーロッパでは指導者は、いわばその短所(欠点)がないものとして行動する本能を要求されます。
たとえば、臆病者でも危険な場所へ場所へと自分がまっしぐらに先頭を切って駆け出す
というような能力をもつように自分を鍛えねばならない。
そう鍛えるのがエリート教育です。

しかし、日本の指導者には、自分にそういう欠点(短所)があることを素直に認めて部下にもみせ、
したがって部下の欠点も自分と同じ『業』として容認してやるというおおらかさが必要です。
もちろん、これを『表口』の人間関係で出してはいけません。

指導者がこの『裏口』の人間関係への感受性を失わないために必要なのは、
やはり『虚』になること、『ボケ』る『虚勢を捨てる』ことです。
自己顕示から開放されて『昼行燈(ひるあんどん)』になれということです。

そのためには、まずどこかに強い自信がなければいけません。

『指導力 俺についてこい』三笠書房


日本の理想の指導者といえば、西郷隆盛だ。
その人格形成のもとは、薩摩藩の郷中(ごじゅう)教育にあるといわれる。

「嘘を言うな」、「負けるな」、「弱いものいじめをするな」、「質実剛健たれ」、
「年長者を尊敬せよ」等々の価値観だ。
お互いが切磋琢磨し、胆力を練り、無私の心を養った。

忠臣蔵の大石内蔵助は「昼行燈」と呼ばれ、普段は凡庸な家臣であったが、
一旦事あるときには恐ろしいほどの力を発揮した。
しかし、いつもは鈍重で、毎晩のように京のお茶屋に通い、バカになれたからこそ、
50人に近い家臣を束ねることができた。

「大賢は大愚に似たり」

という老子の言葉があるが、まさに大愚とは、「ボケる」ことであり、
「虚勢を捨てること」であり、「昼行燈」のことである。

そして、まさに西郷隆盛も大愚の人であった。
肚ができていて、威張らない、「昼行燈」のような人は、日本型リーダーの理想像だ。



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