2011.9.17 |
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みんながフワッとなれる人 |
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斉藤一人さんの心に響く言葉より…
中国の大人(たいじん)の話ですけれど、ものすごい大金持ちがいる。
そういう人間が、たまに縁日みたいなものに出てくる。
そこで、ナツメを売っている店があって、
「ナツメちょうだい」
っていうと、店の人は、一皿分のナツメを袋に入れるフリして、半分しか入れない。
そういうことが、ざらにあるんです。
でも、お金持ちの人は、ちゃんと一皿分のお金を払い、半分のナツメをもらって、悠然と歩きながら食べる。
そういう場面を日本人が見ると、なにかズルイことしてるなって思っているけど、向こうの感覚では、
「あの人は大金持ちだから、ナツメは半分でもいいんだ」
と思ってる。
それで、だまされたお金持ちのほうも、そんなことは知ってるんです。
だけど、ナツメ半分ぐらいで、ギャーギャー騒がないんです。
それで、そういう人のことを、
「大人の大金持ちだ」
と、思ってるんです。
どうして、こんなことをいうかっていうと、実は、この前、ホントに嫌なものを見ちゃったんです。
ガソリンスタンドに行って、ガソリンをいれてもらってたんです。
そこのガソリンスタンドで、10代後半ぐらいの男の子が働いていたんです。
その彼が他の車に給油していたとき、外車が入ってきて、彼がその外車にちょっと当っちゃったのです。
そうしたら、その外車からオジサンが降りてきて、ものすごい勢いで、彼のことを怒鳴りつけたのです。
あれを見たとき、私は思ったんです。
「このオジサンも、ナツメが半分しか入っていない袋をサッともらって、
悠然と歩いている中国人を、見習ったほうがかっこいいのにな…」
そのオジサンは、自分とガソリンスタンドの男のコしか見えないから、怒鳴りまくっているけれど、
私も見てるし、他にも周りに人がいるんです。
そういう周りの人たちが見ていて、
「なんだ、こいつ」
って、思っちゃうようなことって、あるじゃないですか。
みんながフワッとなれ、自分と相手だけでなく、その周りにいる人にも気持いい。
両方が気持ちよくなれる言葉を発した人が、「大人」なんです。
周りもみないで、
「オレが正しいんだ」
って、自分の感情でいってるのは、体だけ大きくなった子どもです。
「大人」の目で、ちゃんとものを見るようなクセをつけていないと、外へ出て恥をかくよ、っていうことなんですね。
『人生が100倍楽しく笑える話』角川書店
いい年をした大人が、当たりかまわず怒鳴り散らすのは、あまりに見苦しい。
急に怒ったり、大声で文句言ったりするような、自分の周りしか見えない人は、自己中心的で、余裕がない人だ。
つまり、幼いわがままな子どもや小さなガキ大将と同じ。
真の大人は、どんな時でも冷静で、周囲の人にも気遣いができる、余裕のある人。
相手の、ちょっとしたミスや、しくじりを、笑ってジョークに変えことができる人は、粋でカッコイイ大人。
何の腹も痛まないような、カワイイ嘘にも、わかっていてだまされることができる。
周りの人を、冷やりとさせるか、ぽかぼかと心地よくさせるかは、言葉や気の使い方ひとつ。
どんなときでも、相手をフワッと温かな気持にさせる真の大人でありたい。 |
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