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2011.7.21

午後から授業には出られません

井上ひさし氏の心に響く言葉より…

出身地の置賜(おきたま)盆地あたりで、僕は神童と呼ばれていました。
次に暮らした一関(いちのせき)では秀才と言われました。
たぶん、生まれたところよりは出来る人が多かったからでしょう。
そして、仙台に移ってから通った東仙台中学では常に上から二番目ぐらいでした。
ところが、高等学校(仙台一高)に行ってからは、どんなに頑張っても真ん中から上に行けないのです。

そこでやっと、「じつは、世の中には神童・秀才っていうのは山ほどいて、
自分はただの凡才なんだ」ということがわかったわけです。

それで、ちょっとやそっと勉強しても無駄かもしれないなと思ってしまった僕は、
「それなら自分が好きな本を読んで映画を見よう」というふうに考えを切り替えることにしました。

担任の先生に、
「僕は将来、物書きになりたいし、新聞記者とか映画監督とかいろいろなりたいものがあるので、
仙台に来る映画を全部見たいと思います。

それから、高校の図書館の本を全部読みたいと思います。
ついては、午後から授業には出られません」と相談してみました。

今では考えられないことですが、そういうことが言える雰囲気の学校だったこともあると思います。
すると先生は、
「わかった。
その代わり、感想とか半券とか、映画を見たという証拠をノートに貼って出しなさい。

そうしたら認めてやろう」
と、あっさり言ってくれました。

それから、僕はありとあらゆる映画を見倒しました。
朝から六本くらいの興行を立て続けに見て、気に入った作品は何回も見ながら、
映画館の暗がりで作品のよいところをメモしたり、自分なりのシナリオを作ったりしました。

『ふかいことをおもしろく』PHP研究所


なんとおおらかな教育であろうか。
そして、生徒を大人扱いする素敵な先生がいる学校だろう。

他の生徒とは違うある種の能力があり、異端と見られるユニークな生徒は、学校という枠に収まりきれない。
誤解を恐れずに言えば、基礎的な読み書きそろばんは別にして、
学校教育で得た知識で、実社会で役にたつものはあまりない。

かのエジソンやアインシュタイン、チャーチルも、学校では落第生だったという。
公的な教育に合わない子ども達の中に天才児がいる、とはよく言われことだ。

しかし、どんなにすごい天才児であろうと、誰かがそれを認めなければ世に出ることはない。
真の教育とは、その子どもの才能を認め、伸ばしてやること。

天才であろうが凡才であろうが、いいところを認め伸ばしてやれば、人はやる気になる。
どんな人間にも、なにかしらの計り知れない大きな才能が眠っている。

人は、型にはめようと、押さえつければ反発するだけだ。
認められ、のびのびと才能を発揮させてくれるところでしか、人は開花しない。



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