2011.7.13 |
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笑う門には福きたる |
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中村天風師の心に響く言葉より…
どんな名医や名薬といえども、たのしい、おもしろい、嬉しい、というものに勝る効果は絶対にないんです。
人生は心であり、観念であります。
これこそが、あなた方の人生を極楽にもし、また地獄にもすることができうる、唯一のものなんです。
いいですか、よくお考えください。
「極楽だ、地獄だ」と感じているのは、あなた方の心でしょう。
あなた方の心が地獄だと感じれば地獄になってしまうんですよ、あなた方の人生が。
とはいっても、なかなかできない人も多いでしょうから、いちばん簡単な方法を、いまからお教えします。
いいですか、なにか悲しいこと、辛いこと、そのほか消極的な出来事があったら、努めて「笑う」ようにしてごらん。
ためしに、おかしくもなんともないときに、「アハハ」って笑ってみてごらん。
なんだかおかしくなってくるから。
悲しいときや辛いときにも、おかしな話に引き込まれると、
なんだか笑っているうちに悲しいのやら辛いのを忘れはしなくても、やわらいだっていう経験おありでしょう。
笑うにつれて腹がたってくるとか、悲しくなってくるとか、辛くなってくるってことは、絶対にないんです。
笑いというものは人間のみ与えられた特権です。
ですから、これを本当に応用せず、また使わないで人生に生きるというのは、
あまりにも馬鹿げた話だと思いやしませんか?
昔から言うでしょう、「笑う門には福きたる」ってね。
いつも笑顔でニコニコしている人に病弱の人いますか?
笑顔で悲観している人や、その精神を消極的にしている人いますか?
そんな人は、だんぜんいやしませんよ。
笑いは無常の強壮剤であり、また開運剤なんだぜ。
事実において、ニコニコ笑顔の人のそばにいるのと、
むずかしいしかめっつらしている人のそばにいるのと、
あなたどっちが気持いい?
笑顔の人のそばにいると、なんとなくチャームされ、多少の悩みや悲しみがあっても忘れちゃうでしょう。
いかなる場合にも怒りや悲観という、人生を泥ぬるような、悪魔を招くような愚かさを演ずることなく、
事あるときも事なきときにも、いいえ、事あるときはなお一層、笑顔をくずさないように練習してごらん。
そして、終始一貫、笑顔でとおすようにしてごらん。
不運な人、体の弱い人は、ひとしお、笑いに努力するんだ。
笑うにつれ、人生の幸福と幸運がどんどん開けてくるから…。
『君に成功を贈る』日本経営合理化協会出版局
一般的には「悲しいから泣く」し、「うれしいから笑う」と考える。
しかし、アメリカの心理学者のウィリアム・ジェームズとカール・ランゲは、
およそ百年前に、『悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しいのだ』という言葉を残した。
身体的反応(生理的反応)の方が、感情反応よりも先に起こるということだ。
「幸せだから笑うのではなく、笑うから幸せになる」、
「敵意を抱くから怒るのではなく、怒るから敵意を抱く」ということも同時に言っている。
身体反応とは、手に汗が出る、心臓がドキドキする、歯を食いしばる、顔が赤くなる、等々だ。
何か悲しいことや、嬉しいこと、恥ずかしいことがあったとき、感情より先に、
こういった身体反応が先に出る、ということだ。
「笑う門には福きたる」
どんな場面でも、つとめて「笑う」ことを実践したい。 |
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