2011.7.9 |
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リーダーの器量 |
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致知出版社藤尾秀昭社長の心に響く言葉より…
明治のリーダーたちは、リーダーたるにふさわしい器量を備えていた。
何よりも特筆すべきは、彼らの溢れんばかりのバイタリティであり楽天性である。
そのバイタリティーと楽天性が野放図(のほうず)に流れず、
「武」と「学」の鍛錬によって陶冶(とうや)されている。
彼らの人間的迫力、人間的器量はそこに起因している。
一にバイタリティ、二に楽天性、三に絶えざる自己修養。
この三つはいつの世もリーダーに欠かせない資質といえる。
国も会社も家庭も、そこにどういうリーダーがいるかで決まる。
どういうリーダーがいるかで、国、会社、家庭の浮沈、盛衰が左右される。
いつの時代でも問われるのは、リーダーの器量である。
では、人間的器量はいかにして養えるのか。
安岡正篤師は、『経世瑣言(けいせいさげん)』の中でその要諦を端的に示している。
「まず、第一に古今のすぐれた人物に学ぶことです。
つまり、私淑(ししゅく)する人物を持ち、愛読書をもつことが、
人物学を修める根本的、絶対的条件であります。
次に大事な条件は、怯(お)めず、臆(おく)せず、勇敢に、己を空しうして、
あらゆる人生の経験を嘗(な)め尽くすことです。
人生の辛苦艱難(かんなん)、喜怒哀楽、利害得失、栄枯盛衰を勇敢に体験することです。
その体験の中にその信念を生かしていって、
初めて治行合一(ちこうごういつ)的に自己人物を練ることができるのです」
リーダーの器量は一朝一夕には成らない。
不断の長い修練の果てに培われる、ということを忘れまい。
『月刊 致知(リーダーの器量)』8月号・致知出版社
安岡正篤師の有名な言葉『六中観』の中に、
「意中有人(いちゅうひとあり)」、「腹中有書(ふくちゅうしょあり)」がある。
「意中有人」とは、心の中に尊敬する師を持ち、誰かに推薦できる人があることだ。
「腹中有書」とは、自分の哲学や座右の銘、愛読書を持っていることである。
まさに、人物学を学ぶにはこの二つが特に必要だ。
尊敬する師や、座右の書は、古今の歴史上の人物であったり、古典であることが多い。
つまり、人物学とは、歴史を学ぶことでもある。
明治維新、昭和恐慌、大震災、戦争、敗戦、という、時代の大きな節目を経験した人のほとんどが、
明日のことや先のことはわからなかった。
大変化とは、不連続で、誰もが先が読めない時代なのだ。
誰もがわからないなら、悲観的に考えても、楽観的に考えても、確率は同じ。
ならば、楽観的に考えた方が世の中を楽しく暮らせる。
この大きな時代の変化を乗り切るため、絶えざる自己修養を繰り返し、
しかもバイタリティを持って、楽天的に生きてみたい。 |
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