2011.7.3 |
|
白い運動靴 |
|
中山和義氏の心に響く言葉より…
結婚式の決まった娘さんのお父さんは義足をつけていました。
でも、娘の結婚式では、娘の手をとって式場に入りたいと思って歩行の練習を始めます。
しかし、娘さんはそんなお父さんの姿を婚約者に見せるのが嫌でした。
結婚式が近づくと、お父さんの練習はさらに熱心になって、
どこからか白い運動靴を手に入れて歩行練習をしていました。
娘さんもお父さんの気持は理解できるのですが、
「結婚式でお父さんが転んだらどうしよう…、
その姿を見た嫁ぎ先の家族はど思うだろう…」
と考えて悩んでいました。
結婚式の当日、練習の成果もあってお父さんと歩くことができたのですが、
フォーマルスーツ姿の父の足元が白い運動靴なのが変に思われないかときになって仕方ありませんでした。
それから数年後、お父さんが危篤という連絡を受けて、娘さんは病院に駆けつけました。
お父さんは娘さんの手を取りながら、
「おまえは夫を大切にしなさい。
お父さんは結婚式までおまえの手をとって式場に入る自信は正直に言うとなかった。
でも、おまえの夫が毎日のように訪ねてきてくれて励ましてくれて…。
転ぶと危ないからと、運動靴まで買ってきてくれたんだ」
と話しました。
娘さんは胸がいっぱいになって、何も言えませんでした。
(世界でいちばん大切な思い)より
『大切なことに気づく24の物語』フォレスト出版
サン・テグジュぺリの名作『星の王子さま』に、「本当に大切なものは目に見えない」という言葉が出てくる。
思いやり、感謝、優しさ、愛、といった心の中にあるものだ。
とかく、我々は目に見えるものだけで判断してしまいがちだ。
子どもにとって親の見方がそうだ。
小さい頃は、父親や母親の仕事を恥ずかしく思ったり、
貧しい生活や住んでるアパートを卑下したり、隠したりする。
特に思春期は、みんなと一緒ではないと恥ずかしいという気持がある。
しかし、人生経験を積めば、そのような目に見えるものは、たいしたことではないことがわかる。
どんなにお金持ちであろうが、有名人であろうが、
卑しかったり、傲慢だったり、情がなかったりしたら、そんな人間は一文の価値もないことを。
優しさや、思いやりの心は、まわりを温かい気持で包んでくれる。
大切な人を守るためにも、優しさと、思いやりの気持はとても大切なこと。 |
|
|