2011.6.21 |
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名将は参謀の言った通りにはしない |
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後藤清一氏の心に響く言葉より…
松下幸之助さんは、終業後も社員と飲みにいかれるでもなく、一人で読書をしたり、
お茶を飲んだりしておられたようだ。
一時期は、真言密教の大家と称されていた人をご自宅に招いて、
朝・晩その説法をお聞きになっていたということだった。
そんな噂を聞いた私は、何かの用で松下社主にお会いしたとき、不遜にも苦言を提したのであった。
「密教家に経営に口出しさせるのは、やめとかれたらどうでっか」
これに対し、松下のオヤッサンは、こうおっしゃったものだ。
「後藤クン、名将は、参謀のいうた通りにはしないのや。
それが名将や。
『ああ、そういう道もあるなぁ』と思いつつ、ワシは別な道を通るんやから、そない心配せんかてええ」
なるほど…恐れ入りました。
私の苦言など、先刻ご承知であったわけだ。
『人生は気合でっせ!』明日香出版社
人は、幅広い知識や、意見を知らなければいけないのに、
それが「宗教的だから」とか、「反対派だから」とか、言って耳をふさいでしまうことがある。
しかし、たとえそれがどんな意見であろうと、それを採用するかしないかは自分が決める。
大事なことは、人の意見やアドバイスを、自分なりに咀嚼(そしゃく)することだ。
かつて、セブンイレブンを日本で展開するとき、
アメリカのノウハウや意見をそのまま鵜呑(うの)みにはしなかったという。
ハンバーガーを、肉マンやアンマンや、おすしに置き換えたことが成功の要因だったという。
マクドナルドの日本の一号店もそうだ。
アメリカの指導では、郊外型の店舗を強くアドバイスされたそうだが、一号店は銀座の三越前に作った。
今では、セブンイレブンで、ハンバーガーも売っているし、マクドナルドは郊外型が主流だ。
しかし当時、それをやっていたら失敗していただろう。
その時代、時代の流れがあるからだ。
どんないい話でも、言葉でも、深く理解し、自分の血肉としなければ、
何の役にもたたない借り物の知識となってしまう。
まずは基本を習得し、自分独自の道を歩めるくらい、多く聞き、読み、経験して自分の幅を広げたい。 |
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