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2011.6.16

食べ方が壊れている

大分医科大学名誉教授の坂田利家先生の心に響く言葉より…

先日、NHKの「ためしてガッテン」 で驚愕の事実を知った。
というと、いかにも大げさだが、「究極のダイエット」の話だった。

大分医科大学名誉教授の坂田利家先生は、糖尿病や肥満治療のスペシャリストだ。
その坂田先生の指導で、ある男性が半年で40kgの減量に成功したという。

そのポイントは、噛(か)むこと。

食べ物を口に入れたら、30回噛み、それで飲み込める量を各人が探ることだという。
多すぎる人がほとんど。

坂田先生は、現代人は「食べ方が壊れている」という。
この「30回噛んで飲み込める分量しか口に入れない」、という「形」を守れないからだ。

なるほど、この番組を見て一週間ほど実践してみたが、如何に自分の食べ方が壊れているか分かった。
最初は、5,60回噛まなければ飲み込めない分量を、どうしても口に入れてしまう。
食べ方の「形」ができていない、のだ。

驚いたことに、これを実践したら、私も一週間であっという間に、1キロ減ってしまった。
テレビでも実験していたが、麺類でもこれは効果がある。

また、噛むことにより、様々な気づきを得られる。
例えば、森信三先生の教えにある「飯菜(はんさい)別食法」も自然に実践できる。

「飯菜別食法」とは、ご飯を食べるときはご飯、おかずを食べるときはおかず、
という食べ方のことだが、ご飯だけを一挙に平らげてしまえ、といことではなく、
口の中で、ご飯とおかずを混ぜてはいけない、ということだ。
これを実践すれば、食材が本来持っている甘みや旨みを感じることができ、薄味が普通となる。

以前、マクロビオティックという、玄米菜食や自然食の食事療法の講習会に参加したことがあった。
アメリカでマクロビオティックを広めている、久司(くし)道夫先生の勉強会だった。

そこでは、100回噛め、と教わった。
しかし、病気治療の人には必要かもしれないが、一般の者には、なかなかこの100回は難しい。
でも、この30回なら、できそうな気がする。

何ごとも、「形」は必要だ。
武道でも、茶道でも、道とつくものには、必ず「形」がある。

「形」が身につければ、体はそれに従って自然に動く。
つまり、やせるために「食べないという強固な意志が必要」だとか、
「理論的に頭で納得する」などという、ことは必要ない。

本物の「形」は、シンプルだ。
「禅」という字も、単に示すと書くが、深遠なる教えは単純だが、そこには大いなる広がりと、奥深さがある。

食べ方の真の形を実践し、本来の健康体を取り戻したい。



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