2011.6.14 |
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誰かに呼ばれる |
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哀川翔の心に響く言葉より…
役者ってのは基本的に、1回1回のリストラ制だよ。
それが俺の場合は“Vシネマの帝王”なんて言われて、一番多いとき…
2002年は年間14作品も主演をやってきた。
なんでそんなにやり続けられるかって、俺は「俺を呼んだアンタこそエライ」って思ってきたから。
どんな映画でも、Vシネでも、もしくはバラエティでもそう。
俺は基本的に元気だし、呼ばれたからには死にものぐるいでやってやろうと思ってるもん。
ちょっとでも興行成績伸ばしたいし、出た番組の視聴率を少しでも上げたいと思ってる。
呼んだ人が「まぁ哀川翔だからこのくらいの成績は出るだろう」と思ってるその成績の、
さらに上を行くように頑張るんだよ。
そりゃあ必死こいて。
想定される成果にプラスアルファがあってはじめて、俺を呼んでくれた人の功績になるでしょ。
そしたらまた、仕事が来るんだ。
必死こいてひとつのものを作るその道中、楽には進まないいろんなことがある。
「いろいろあったけど、頑張って良かったね」って、みんなが思える作品にすること。
そういう結果を出すこと。
仕事ってそういうもんだと思うよ。
そこに携わった人たちに喜びがないと次もないんだ。
あとは「こいつがここにいると助かる」って存在になること。
そうすれば、間違いなく需要が高い人間になれると俺は思う。
「あ〜、やっぱり君がいてくれて助かったよ」って。
だって、キャンプやるときも、いると助かるだろうなって人間しか呼ばないもの。
お荷物になるやつ呼びたくないよ。
それと同じで、少々芝居が下手でも、ものすごくみんなのフォローが上手いやつだったら、
「あいついると楽だから呼んどこうか」ってなる。
絶対。
俺はそう思う。
『使われる極意 すべては、呼ばれるために』東邦出版
Vシネマとは、低予算の短期間で作られる映画で、ヤクザ物や金融など、
アンダーグラウンドな世界を描いたものが多い。
哀川翔はVシネマの代表的なスターだと言われるが、当初は歌手としてデビューした。
本のタイトルには、芸能界屈指の仕事人で雇われ上手、と書いてある。
相手を喜ばし、想定される成果以上の結果を出す人は、仕事に呼ばれる。
全力疾走で、予想を上回ることをやり続ける人だからだ。
役者の仕事は、1回1回のリストラ制だという。
我々は、明日もこの仕事が続く、と思うからそこに甘さが出るのかもしれない。
明日の仕事があるかどうか分からないと思うなら、次に呼んでもらえるよう必死に努力する。
成功した経営者であっても、年を重ねた年長者でも、誰かに呼んでもらえない人はいつか孤立する。
あいつがいると楽しい、助かる、と思われる人は幸せだ。
どんなに年をとっても、「誰かに呼ばれる」という視点を常に忘れない人でありたい。 |
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