2011.5.30 |
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不条理を乗り越える |
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竹内一郎氏の心に響く言葉より…
時々、なぜこんなひどい親からこんないい子が、と理解に苦しむ親子と遭遇することもある。
もちろん、逆もある。
様々な親子を見ながら、世の不条理を感じることも多い。
私は、そういう不条理をまず“前提条件”として、なおかつネアカを目標にするのがよい、と考えている。
将棋の棋士はそういう事態に慣れている、全力を尽くして、自分に何の非がなくても、負けるときは負ける。
本田宗一郎氏や、堀場氏も同じである。
結局、1回1回の仕事を“全面戦争”と考え、負けたとしても、“この世に不条理はたくさんあるのだ”と、
結果を受け入れる修練を積んでいるかどうか、が私が考える“ネアカ”を作るか否かの、境界線である。
実際、一つの考え方を提案し「こうすればうまくいく」と主張する人がいる。
これだけ不条理に満ちた社会なのだから、
どんな思想や宗教を持ってきても、うまくいかないことはたくさんある。
升田は、
「文章でいえば、なるほど書いている人は血へどが出るほど苦しんで書いている。
が、出来上がったものに、その苦しみだけしか出ていない作品は、もひとつってものじゃありませんか。
いのちがけのなかに遊べるという境地に達したとき、読む人にもまた楽しさが伝わる」
『ここ一番に 強い男、持っている男』PHP研究所
人生は逆転、逆転、また逆転の繰り返しだ。
親が金持ちで優秀なら、子どもも金持ちで優秀になるか、というと、案外そうではないことが多い。
親が苦労して成功した家庭では、子どもに苦労をさせまいと、手助けをしたり、容易に金を与えることもある。
その逆の、親が貧乏だったり、ひどい親だったりすると、子どもは早くから自立し、
自分で問題を解決する術(すべ)を手に入れる。
世の中は不条理に満ちている。
自分にはなんの落ち度もないのに、天災や震災にあうこともある。
あのユニクロの社長柳井氏でさえ、「一勝九敗」だという。
以前、大手レストランチェーンの新業態の開発担当者に聞いたことがあったが、
彼らの成功率は、20に一つだと言った。
そこそこ当る業態はできたとしても、何百店にまでもっていける店は、それくらいの確率かもしれない。
普通の人間が、何かにチャレンジすれば、失敗するのは当たり前だ。
しかし、大事なことは、何度失敗しても、めげず、心も折れないという、
自分なりの、「しなやかさ」や、「タフさ」を持てるかだ。
それが、「ネアカ」に生きるということ。
必死の形相で、ピリピリして努力するより、「ニコニコ顔で命がけ」の方がよほどいい。
深刻にならず真剣に、ネアカで生きてゆきたい。 |
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