2011.4.20 |
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楽しくないことにも、面白さをくっつける |
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書店「読書のすすめ」店長の、清水克衛(かつよし)氏の心に響く言葉より…
よく大手のインターネット書店では、書評と称して批判が堂々と展開されていますが、
「自分の価値観と違うから」と言って、すぐに批判に走るのはすごく損です。
「何かちょっと違うかな」と思ったときも、すぐに否定しないこと。
自分が「面白い」「面白くない」なんてどうでもいいことなんです。
大事なのは、そこから何が生まれてくるか。
多少つまらなくても、何か新しくて、次につながる建設的なものが生まれてくるかどうかなんです。
いたずらに批判して、人から「創り出す喜び」を奪っちゃいけません。
「迷ったときはどっちが正しいかではなく、どっちが楽しいかを基準にして選べばいい」
という話がありますが、そろそろ、私たちはその一歩上を行かなくちゃいけません。
それには、楽しくないことにも、面白さをくっつけてみることです。
つまらないと思ったことにも、そこを建設的に考えて、自分にとって面白いと思える出来事や、
反面教師にできることがないか探してみる。
そうでなければ、いつまでたっても「つまらないからやめる」という、破壊的な選択しかできません。
読んだ本がつまらなくったって、おおいに結構じゃないですか!
それを、何か生み出す機会につなげてみる。
そんな建設的な考え方を訓練してみましょう。
『「ブッダを読む人」は、なぜ繁盛してしまうのか。』現代書林
清水克衛氏の経営している書店「読書のすすめ」に、
ある時、斉藤一人さんが、本を探しに店までやってきた。
清水店長は、一人さんとは知らず、
「その本はありますが、それよりももっと面白い本がありますよ」と、滔滔(とうとう)と
一時間近くも色々な本をすすめた。
一人さんは、本を買って帰ったが、そのとき、
「今日は素晴らしい芸を見せてもらった。これはチップだよ」と言って、別に1万円を置いていったそうだ。
あまり立地もよくない、東京の下町のたった40坪の書店「読書のすすめ」には、
全国から続々とお客さまが押し寄せる。
昨今の、ネットの中の批評は本だけではない。
食堂も居酒屋も、点数で評価され、容赦なく批判を浴びせられる。
コメントには、あら捜しのような批判も多く、心が寒く、冷たくなる。
斉藤一人さんは、はやっていない食堂や、サービスが悪い喫茶店、駄目な旅館に好んで行く。
そこで、ブスッとしている接客係を笑わせたり、喜ばせたりするのがいい、という。
普通なら怒ってしまような場面を楽しむのだ。
だから、一人さんのまわりは笑い声が絶えず、いつも明るい。
お金を払う人が、気をつかったり、機嫌を取ったりするのは、とても粋だ。
たとえ、間違えてつまらない本を買おうが、残念な店に入ろうが、それもまたよし、だ。
古典落語の妙味は、ある種のつまらなさにあるのではないか、と思う。
バカ受けするようなお笑い芸人にはない、そこはかとないおかしさや、
面白味といった味が、そこにはある。
行くところ行くところを、暗くするか、明るくするか、で人生は変わる。
どんなに、つまらなくても、楽しくなくても、それを面白がることができる、粋な人でありたい。 |
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