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2011.4.7

ひるむなニッポン!

雑誌「正論」の小島新一氏の心に響く言葉より…

【ひるむなニッポン!】

東日本大震災では、海外からの支援の申し出が相次いだ。
そうした国・地域の数は130超。心強い限りだが、その陰では、こんな事態が起きている。

「東南アジアのある国が毛布を数万枚送ると申し出たところ、
指定サイズに20センチほど合わないという理由で日本政府が受け入れに難色を示した」

「日本政府から救助犬の派遣を真っ先に要請され、送り出そうとした矢先に
『空港での検疫期間中に救助犬を管理できない』という理由で拒否された」
(産経新聞3月25日付朝刊)。

作家の曽野綾子、評論家の金美齢両氏は大震災を受けた緊急対談「ひるむなニッポン!」で、
被災者・被災地への支援を妨げるものとして、
資格やルールにとらわれ減点を恐れて必要な対策を取れない日本人の思考を挙げた。
先の記事は、両氏の懸念が現実のものとなっていることを示している。

命を失った人、行方や安否が分からない人が数万人にのぼる非常事態にもかかわらず、
日本社会がこんな杓子(しゃくし)定規な対応しかできない背景として対談で指摘されたのは、
「野戦精神の喪失」だ。

曽野氏が
「平時ではなく、野戦では必要なことは誰もが何でもやればいいんです。しないと死人が出る」
といえば、
「(戦後の)平和な社会の中で、子供たちに安穏な生き方ばかりをさせてきた帰結」と金氏。

片や紛争や飢餓に苦しむアフリカ諸国に幾度も足を運び、
片や台湾独立運動に携わって国民党政府から長年にらまれてきた2人の対談は、
非常時への心構えを考えるうえでの示唆に満ちている。

戦後最大の困難に見舞われているわが国への、温かくも手厳しいエールだ。

産経新聞「異論暴論」より

東日本大震災の復興祈願と、犠牲者の鎮魂祭が、近くの神社でとりおこなわれたが、
最後に挨拶に立った宮司さんから、次のような話があった。

それは、「一旦緩急(いったんかんきゅう)あれば、義勇公(ぎゆうこう)に奉(ほう)じ」
という教育勅語の一節だった。

つまり、「国に非常事態が発生したときには、正義のために発する勇気を持って、国に奉仕する」、
という考え方が今ほど必要なときはない、ということだった。

これは、まさに自衛隊の宣誓の中の、
「強い責任感をもって、専心職務の遂行に当たり、事に臨んでは危険を顧みず、
身をもって責務の完遂に務め、もって国民の負託にこたえることを誓います」、と同じだ。

戦後最悪の災害といわれる東日本大震災。
すべてのことが、今まで経験したことのないスケールで起こっている。

前例踏襲で行ってきた官僚的手法では、ほとんどのことが解決できない。
様々なことが、後手後手にまわり、解決が遅れ、いたるところで、おかしなことがおきている。


行徳哲男師は、こう語る。

『福沢諭吉は言った。「盲目社会に対するは獣勇(じゅうゆう)なかるべからず」と。
一寸先が真っ暗闇の時代を生き残るには獣の勇気を持つことである、と彼はいうのである。
盲目社会、現代がそれにあたる。

獣の勇気とは何か。獣は考えない。ゆえに、迷わず、こだわらず、とらわれない。』
【感奮語録】(致知出版)

今は、戦後最大の異常事態。
平時ではないということを認識し、獣勇という野戦精神をもって事にあたりたい。



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