2011.4.3 |
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目の前の現象にどんな色をつけるのか |
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小林正観さんの心に響く言葉より…
ある日あなたが、自転車に乗って転んで大怪我をしたとしましょう。
その転んでしまったという現象に対して、落ち込むことも、笑って過ごすこともできますし、
ただ何も感じずに淡々と過ごすこともできます。
その現象をどう受け止めるかは、自分次第ということです。
ほとんどの人は、現象と自分の感情が一体だと思っているかもしれません。
よく、「上司に怒られたので、とても落ち込んでいる」という人がいますが、
上司が怒ったことと、自分が落ち込むことは別です。
「上司が怒った」という現象と、悲しい、辛いという感情が別々に存在しています。
もともと、現象そのもに、色はついていません。
私たちが勝手にその現象に感想をつけて、「嬉しい」「悲しい」という色をつけているにすぎません。
目の前の現象に一喜一憂せず、淡々と、そうなりましたかと捉えていくと、自分が楽になります。
一喜一憂する人には共通点があります。
辛いことがあったからといって、すぐ落ち込んでしまう人がいますが、面白いことに、
そのような人は誉められると、すぐに有頂天になるようです。
すぐ落ち込む人は、すぐに有頂天になる。
それは自分自身を人と比べて、他人の評価に一喜一憂しているということ。
つまり、自分自身の考え方や、思想を持っていないということです。
これは幼児性の表れと言えます。
大事なことは、一喜一憂せずに、ただ受け入れていくということ。
目の前の現象に、「嬉しい」「悲しい」という色をつけるのは自分なのです。
『無敵の生き方』廣済堂出版
大震災のあと、日本では暴動も商店の焼き討ちも起きなかった。
これは、世界に驚きを持って受け止められているという。
例えば、もし諸外国で、原発事故やそれにともなう計画停電などがあったとしたら、
政府や電気事業者に対して怒りが爆発するだろう。
日本人は、たとえ不満があっても、違う思考方法をとる。
多くの日本人は、これから「どうしたら、電気を使わないで過ごすことができるだろう」、
とか「他に電気の代替はないだろうか」、と考える。
起こった現象には、良いとか悪いとかの、色はないという。
それをどうとらえるのかは、自分次第だ。
日本人は古来より、自国に起きた天変地異や大災難に対して、
人や国や天のせいにせず、「どうやったら解決できるだろうか」だけを考えて生きてきた。
成熟した大人の文化を持った素晴らしい国なのだ。
目の前の現象に、自分はどんな色をつけるのか、が今問われている。 |
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