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2011.3.31

閑古錐(かんこすい)

書家の石飛博光氏の心に響く言葉より…

【閑古錐(かんこすい)】

閑古錐とは、古くて先がまるくなり、使えなくなった錐(きり)のことです。
切れ味の悪くなった錐は、道具としては役に立ちません。
でも、長い年月を費やし、来る日も来る日も穴を開け続けてまるくなった錐には、
ただ鋭いだけの錐にはない、円熟した魅力があります。
禅では、真の修行者のことを閑古錐といいます。


俗に「人間がまるくなる」などといいますが、破天荒(はてんこう)だった人が老境にさしかかり、
穏やかな熟年になっていくことがあります。
穏やかなのに迫力さえ感じさせ、年を経た人ならではの魅力に満ちています。
目指すべきは閑古錐の円熟味。


『ほっこり、やさしい 禅語入門』成美堂出版


かつて連合艦隊を率いて、日本海戦で、当時最強のロシアのバルチック艦隊を破った
東郷平八郎は、沈黙の提督と言われた。
しかし、若い頃は軽口をたたいてはおしゃべりする軽々しい男だったという。
だが、それでは指導者にはなれないと、自らを戒め、
鈍(にぶ)くて重みのある寡黙な提督となっていった。
そして、終生目立つことを嫌ったという。


大災害や、大恐慌のあとなどは、多くの人は心理的に不安になる。
その結果、水、トイレットペーパー、お米などの日用品を買い占めたりする
パニック行動が起こりやすい。


昨今は、鈍(どん)くささを嫌い、目から鼻に抜けるような鋭さを好む。
しかし、鋭い人は、先を読みすぎるがため、我先にと、走ったりする。
よって、大局を見失いやすい。


鈍とは、鈍感(どんかん)だったり、鈍間(のろま)であったり、鈍重(どんじゅう)であることだ。
茫洋(ぼうよう)として、人よりも一歩遅れたり、人に押しのけられたりもする。
だが、損得を考えず、我欲が少ないため、かえって先が見通せる。


我先にと、恐怖にかられ、買いだめしようとすればするほど、他の人にはまわらなくなる。
しかしいつの世も、パニックで品薄になった商品は、何日か後、何ヶ月か後には、
商店の店先に必ず並ぶ。


自分さえよければいい、という姿勢はいかにも恥ずかしい。
ほんとうは、少し損して生きるくらいでちょうどいい。


古くて丸くなった錐(きり)のように、鈍で、味のある人でありたい。



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