2011.2.26 |
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相手をニッコリさせるゲーム |
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小山薫堂氏の心に響く言葉より…
タクシーに乗った瞬間、不穏な空気を感じることがあります。
運転手さんの顔が笑ってない。
行き先を告げても、返事もしない…。
たいていの人は、「わっ、イヤなやつに当っちゃった」と、自分の不運を嘆くのではないでしょうか。
でも、こんなとき僕は「チャンス!」と思うようにしています。
「よし、この不機嫌な運転手さんを、なんとかニッコリさせてみせる」と、
自分で自分に賭けを仕掛けて、燃えるわけです。
僕がやるのは、まずこのタクシーの運転手さんの立場に立ってみることです。
運転手さんも大変です。
昨日から寝ないでずっと走っているんだから。
今日なんかお昼ごはんも食べてない。
でも、そんなに頑張っても、不況でお客さんは減る一方。
あくまでも想像ですよ。
想像の世界で、「そりゃ、口ききたくないのもわかるよ」と運転手さんの身になってみるわけです。
「大変だよね」って思った瞬間に、空気が変わるっていうんでしょうか。
最初に感じた不穏なピリピリ感がなくなります。
その上で、おもむろに話しかけてみます。
「今日は、案外とすいてますね」
「あっ、その先、事故ですかねぇ」
これは面白いゲームなんだと思えば、あの手この手と作戦を考えるのも苦ではない。
相変わらず無視され続けても、かえってチャレンジ精神がかき立てられるというものです。
『小山薫堂 つながる技術』PHP研究所
相手をニッコリさせるゲームは色々なところで仕掛けられる。
レストランや食堂で、つまらなそうにサービスしているウエイトレスにも…
コンビニで、ぶっきらぼうにレジを打っている店員にも…
クリーニング屋さんで、不機嫌そうに受付してる係の人にも…
そして、会社の部下にも、自分の夫(妻)にも、友人にも…
昨今は、「お客様は神様」とばかり、お金をだせば神様扱いされるのが当然で、
ぞんざいに扱われでもしたら、メチャクチャなクレームになるパターンがも多い。
会社では異常に気を使うが、お金を払う立場になった途端、「気配りの気配すらない状態」になる人もいる。
たとえ通りすがりの人であっても、誰かを喜ばせ、ニッコリとさせれば、結局は自分がうれしくなる。
反対に、相手が不機嫌だからと言って、自分まで不機嫌になってしまったら、
たとえ短時間であっても、一緒に過ごすその時間は全くムダで、つまらないものとなってしまう。
長い人生、不機嫌で生きるより、笑顔に囲まれて過ごした方がよっぽど楽しく生きられる。
どんなときにも、相手をニッコリ笑わせる人でありたい。 |
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