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2011.2.18

西欧一辺倒を疑う

日本マクドナルド創業者の藤田田(でん)氏の心に響く言葉より…

明治以後百年にわたって、日本の教育は、西欧の学問・文化こそが正しいという思想で貫かれている。
たとえば、小学校でも音楽はピアノやオルガンが正課であり、日本伝統の尺八や三味線は教えない。

日本の伝統的な文化といえば、すぐさま歌舞伎となるが、
現実に三味線や尺八も、日本人の伝統的な文化として生活の中に残っているのである。

にもかかわらず、学校では全然教えないというこの事実のなかに、
日本の明治以後百年の近代化のまちがいがあるのではないか。

医学にしても同じである。
風邪をひいたと言って病院に行き薬をもらえば健康保険が適用されるが、
鍼や灸には健康保険は適用されない。
これはおかしい。
まちがっている。

私は、鍼や灸で病気が治る人がいるかぎり、健康保険を適用して当然だと考える。
東洋医学は、ニ千年あるいは三千年にわたってアジアや日本で栄えてきた。
ということは、その治療に効果があったからである。
しかし、明治以後は、いや、江戸時代末期、かのシーボルト先生以来、
西洋医学一辺倒で、東洋医学は認めていない。

日本の伝統的なものよりもすべて西欧のものが優れている、
正しいという「西欧一辺倒」の考えを、日本人はいまあらためて疑ってみる必要がある。

『起業戦争の極意』KKベストセラーズ

「西欧一辺倒の考えを疑った方がいい」

西欧文化の代名詞のようなマクドナルドを
日本で創業した藤田田氏の発言だけになんとも凄(すご)みがある。

現代は、衣・食・住の全てにわたり、西欧化は進んでいる。
そして多くの現代人は、日本古来の伝統的なものより、西欧の方が優れているような錯覚をしている。

日本各地には何百年と続くお祭りがあるが、そこでは、笛や太鼓や、鉦(かね)が使われ、踊りもある。
これらの伝承芸能ともいうべきお祭りも、学校の授業の中に組み込まれていてもいいような気もする。

また、東洋医学は予防医学の側面も大きい。
東洋医学を健康保険適用可とすれば、
長い目で見れば国の医療費の大きな削減につながると思うのだが…

藤田氏が自分にいつも言い聞かせていた言葉がある。
それは、「凡眼には見えず、心眼を開け、好機は常に眼前に在り」。
会社のレターヘッドにも印刷し、毎日見続けていた、という。

目の前の出来事や、通り過ぎる事象は、心眼で見ないと、正しい姿が見えない。
決まりきったこと、絶対だと思うことの中にも、心眼で見れば、別の真実が隠されているかもしれない。



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