2011.1.28 |
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心で記憶できる人 |
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島田紳助氏の心に響く言葉より…
漫才ではなく、「タレント」として売れるためにはどうしたらいいか?
「バラエティ」というだけあって、色んなことをしなければいけないし、
「すべてのスペシャリスト」みたいな顔をしていないといけない。
でも、タレントなんて頭悪いし、時間もないし、努力するのも嫌いだし。
じゃ、どうしたらいいのか?
もう、これはほとんどペテンをやるしかないでしょう。
一分野につき一箇所を掘り下げて、全部を知ってるような顔をすればいいんです。
野球でも音楽でもそうです。
一個だけ強いものをつくる。
全部を知っている必要はない。
あとは、この詳しい一分野一箇所を増やしていったらいいだけ。
ただし、嘘はいけない。
嘘はすぐばれます。
一文や一箇所に詳しくなるなら、その一箇所を本当に好きにならくてはいけません。
そのためには、野球だったらその選手を観に球場まで、
音楽だったらその歌手を観にコンサートまで、必ず行くようにしましょう。
そして「心」で記憶するんです。
本で読んで「頭」で記憶しただけでは、すぐボロが出ます。
「心」で記憶したことは一生忘れません。
僕が経営している「バー はせ川」という店ではライヴをやっている。
そこで最近ひとつわかったことがあります。
何人かのシンガーがいて、中でもRYOEIというやつはめちゃめちゃ上手い。
あまりにいい歌を歌うから、時々、泣いてしまうお客さんもいます。
そこにはタレントも遊びに来てくれるんですが、普通のお客さんよりもタレントの方がよく泣くんですね。
そして、売れてるタレントほど、よく泣くという法則があります。
笑福亭笑瓶とガダルカナル・タカがふたりで来て、
あいつらなんてもうおっさんなのに、それでも泣いてましたね。
一方で、小池栄子みたいな若い子も一曲目から泣いてました。
僕はそれをみていて思った。
「あぁ、これやな」と。
「この人らは心で記憶できる人たちや」と。
数年後に、RYOEIが有名になったとしましょう。
その時に、以前ライヴを観たことがある人がインタヴューされる。
そこで、ライヴ観たけど、泣いてない人は、
「いや、この子ね、前からめちゃめちゃ上手かったんよ。
私、ライヴ何回も観に行ってて、“はせ川”で歌うてて、すごい上手かって、
あん時から売れる思うててん…」
と言う風に言葉を重ねていくと思います。
それに対して、泣いた人は、
「初め聴いた時、私ね、なんやわからへんけど、涙がとまらへんかったんですわ…」
という風に訥々と語ると思うんです。
そのどっちが人に伝わるのか?
やっぱり後者でしょう。
それは、前者は「頭」で記憶したこと、後者は「心」で記憶したことだから。
だから、絶えず「心」で記憶できるよう、いつでも「感じ」られるよう、「心」を敏感にしていないといけないんです。
『自己プロデュース力』ヨシモトブックス
タレントや俳優は、人に何かを伝えることができなければ生き残れない。
いや、一般の誰にしても、人に伝えることがヘタだったら、人生では随分と損をすることになる。
頭で記憶したことは、相手には伝わりにくい。
講演会などで、人気がある講師は、自分の言葉で話し、自分が感じたことを伝える人だ。
売れているタレントは、テレビで見ていても、感動する場面でよく泣く。
感性が豊かだからだ。
感性とは、感受性であり、ときめきであり、はっとすることであり、喜怒哀楽である。
人は、理や知では動かない。
感じるからこそ動くのだ。
だから、「感動」という。
何事も、頭で記憶するのではなく、心で感じ、心で記憶できる人でありたい。 |
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