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2011.1.17

腰骨を立てる

森信三先生の心に響く言葉より…

人間はいかにすぐれた師をもち、よき教えに接したとしても、結局最後のところは、
自分を律するものは自分以外にはないわけでありまして、いかに卓(すぐ)れた師といえども、
本人自ら律しようとしない限り、いかんともし難いのであります。

自律はまた自立にも通ずるわけで、自律心なき人間は、真に自立すなわち、
自主独立の人間とは言えないのであります。

では、自律した人間になるにはどうしたらいいかといいますと、それは、
「立腰」すなわち「腰骨(こしぼね)をたて通すこと」によって、真に主体性のある人間になれるのであります。

ではどうして26時中腰骨をたて通すと、主体的な人間になれるのか、
何ゆえ、そうした重大な意義をもつかと申しますと、それはわれわれ人間は、
ご承知のように心身相即的(しんしんそうそくてき)な存在であって、
心と体とは元来離れられないはずのものであります。

ところが、われわれの心というものは、とかく体とは別個の作用をしやすい一面があるのでありまして、
それ故つねに身体をおさえて支配するようにしなくてはならぬわけです。

立腰とは、
@尻をウンとうしろに引いて、つぎには
A腰骨のところを、ウンと前に突き出すのです。そして次には、
B下腹の辺りに心もち力を入れるのです。

このコトバ通りによく守って、やり通してみてごらんなさい。
すると皆さん方は、少なくとも腰骨を立てている間だけは、シャンとした気持ちを失わないでいられましょう。

この姿勢を一日中つづけることによって、われわれ人間には、
集中力と持続力が身につき、そのうえさらには判断力さえ明晰になるのであります。
否、そればかりか、われわれ人間はそれによって、一だんと行動的になり実践的になるのであります。

ついでですが、わたくしは、15才の時から腰骨だけは立てつづけて来ましたので、
立腰まさに70年というわけであります。
ですからわたくしの今日あるのは、全くこの腰骨を立てつづけてきたお陰でありまして、
自分のこれまで計画したことが、一おう何とかやりとげることができましたのも、
全くこの立腰のお陰であって、これこそ実に生涯の感謝であります。

『中・高生のための「人間の生きかた」』寺田清一

この小冊子は、実践の哲学者森信三先生が、中・高生に向けて「人間学小門」として講演したものだ。
森信三先生は、腰骨を立てるという「立腰教育」のことを、「人間に性根を入れる極秘伝」と言っている。

心身相即的とは、心の状態は身体にすぐ表れる、ということだ。
駅やコンビニ周辺で、体をまるめ、地面に座り込んで食べている若い連中を見ることがある。
そういう若い人たちを見たら、誰もが、だらけているな、しつけができていないな、と思うだろう。
心は、身体や姿勢に現れるのだ。

逆に、体の型をつくってしまえば、心もそれに追随する。
禅での座り方は、まさにこの腰骨を立てる立ちかたと同じだ。

凛として、前向きで、積極的な姿勢は、腰骨を立て、アゴを引いてキリッと立つこと。
明治をつくった幕末の若者たちは、皆一様に姿勢がよかった。
海外に渡っても、背筋を伸ばし、アゴを引き、決して卑屈にはなっていなかった。
だからこそ、体は小さくても大きく立派に見えた。

昨今は、腰痛の人が多く、この姿勢を続けることは難しいかもしれない。
しかし、一日に何分でもいいから、この「立腰」を思い出し、
気が付いた時に腰骨を立てることをやるだけで、人生は変わってくる。

明治の男や女たちのように、腰骨を立てて、凛として生きてみたい。



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