2011.1.15 |
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生命力の強い人 |
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秋元康氏の心に響く言葉より…
バブルの時代にギンギン張り切って稼ぎまくっていた人が、
バブルがはじけたとたん、情けないオヤジに変貌してしまったケースがある。
そういう人は、潜在的な「生命力」がなかったということである。
たとえバブルがはじけて、お金が一銭もなくなってしまったとしても、
「ああ、はじけてイテえなァ」
と言いながら、笑っていられるような人間や、
「もう一回、ゼロからスタートだね」
と、つぎに立ち向かっていける人間の姿に、女性はほれたりする。
ビジネス面でも周りが助けてくれたりするのである。
そのときの「生命力」が、恋愛も仕事も左右するのだ。
その「生命力」と同時に、もうひとつ重要なことがある。
それは、仕事も恋愛も「俯瞰(ふかん)」で見ることができるかどうかである。
バブルがはじけても、どこかで笑っていられるのは、潜在的な「生命力」の他に、
どこかで自分を客観的に眺める「ゆとり」を持っているということでもある。
「バブルがはじけ、破産しそうになっているオレという人間がここにいるな」
と、もうひとつの目で自分を見つめ、自己を回復するための作戦を冷静に練ることができる人。
そういう人が、人間的な意味での大きさも兼ね備えている人なのである。
女性は、そういうところに魅かれる。
いや、女性だけではない。
男として、ビジネスマンとして、そんな大きな心を持った人間に、何より魅力を感じるのだ。
つまりは、「冷静さ」と「熱さ」を両方兼ね備えていること。
『企画脳』PHP文庫
秋元康氏は、放送作家であり、作詞家、映画監督もこなし、AKB48の総合プロデューサーでもある。
どんなにひどい目にあっても、ニコニコとして、元気でいられるタフな人がいる。
生命力にあふれている人だ。
倒産やリストラとかの、大きな問題に行き当たると、ペシャンコになってしまう人は多い。
俯瞰(ふかん)とは鳥瞰(ちょうかん)ともいい、鳥の目で、高いところから、全体を見下ろす見かただ。
人は、とかく人生の一大事が起こると、パニックになりがちだ。
そんなとき、自分を冷静に上から見下ろす。
「ああ、あわててるな」と。
禅の「無門関」の中に、瑞巌(ずいがん)和尚の有名な逸話がある。
瑞巌和尚は、石の上で座禅をしていたが、ときどき大声で、
独り言のように「主人公」と自分のことを呼び、「ハイ」と返事をしたという。
つまり、「目覚めていろ」、「目をさませ」、「だまされるな」と自分を戒めていたのだ。
自分を客観視できる人は、余裕のある人。
どんなに熱くなっていても、一旦ことあれば、ふっと我に返ることができる。
そんな人は、生命力が強い人だ。
熱くなければ魅力はない、しかし時には、
自分を客観視できる冷静さも合わせ持った、生命力あふれる人でありたい。 |
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