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2011.1.13

控えの選手に声をかける

数学の秋山仁(あきやまじん)教授の心に響く言葉より…

ある宴の席で、かつて全日本男子バレーボールチームの監督を務めた
スポーツ指導の斉藤勝先生と一緒になった。

そこでうかがったのだが、良いチームをつくるポイントは、
主力選手よりも控えの選手たちに、より多く目をかけ、声をかけることなのだという。

レギュラーになれない選手の努力や頑張りこそが、
主力選手にも刺激となり、チーム全体を活性化するのだと。
逆に控えの選手数人の心が離反してしまえば、そのチームは強くなれない、というお話だった。

話はそれるが、どこの大学でも、たいてい校舎の清掃を業者に依頼する。
斉藤先生の大学も例に漏れず、掃除は業者派遣のパートの人の仕事だ。

そのパートの人たちの中に、寒い日でも冷えきった床にかがんで
タイル全部がきれいになるまで黙々と一枚一枚を磨き、
雨の日にはドロドロに踏み荒らされた階段や傾斜を、滑ってけが人が出ないように、
自分が汚れるのもお構いなしに雑巾で丹念に拭っている一人の婦人がいらっしゃるのだそうだ。

校舎のトイレの小窓には、空き瓶がきれいな和紙で包まれて花瓶に仕立てられ、
道端に咲く小さな草花が挿されて風にそよいでいる。

それも、その婦人がやっている。
学生たちが平気でゴミをポイ捨てしていく大学の校舎の清掃は、目立たないがとてもたいへんな仕事だ。
通り一遍にやろうと、ていねいにやろうと、
だれかが見てくれるというわけでもないし、給料が変わるわけでもない。

斉藤先生は、スポーツの道を志して自分のもとに集まってくる若い選手には、
その婦人の話をするのだそうだ。

他人に評価されるためなどという小さな心は捨てて、
自分自身と自分のやろうとしている行為に誇りを持ち、
常に自分のベストを尽くすことの貴さを話している、ということだった。

『秋山仁の放課後無宿』朝日文庫

ある飲食店の店長のところに手紙が来た。

「私の夫は、清掃会社に勤めていて、
毎日何十軒という飲食店やコンビニをまわってゴミの収集をしています。
数多くのお店の中で、たった一人、店長さんだけが、
夫が収集にいくと真っ先にとんできてくれ、手伝ってくれるそうです。
それをいつも夫は、うれしそうに私に話してくれます。
どうしてもお礼が言いたくて、今日手紙を書きました。本当にありがとうございます」

日の当らない、縁の下の力持ちのような職業についている人たちに、声をかけ、感謝する人は少ない。
レギュラーや主力選手ではなくて控えの選手、
格好いい仕事ではないが、世の中になくてはならない仕事についている人たちだ。

今上り調子にあり、偉くなってしまったり、成功していると錯覚している人には、
弱い者や、目立たない人たちの気持がわからないことが多い。
自分のことだけを考え、人の気持を思いやることができなくなっているからだ。

世の中は、エリートや、主力の選手だけでできているわけではない。
「無名有力」という言葉があるが、世の中には目立たず無名であるが、
人を感動させるような大きな力を持っている人もいる。

道端に咲く小さな花、無名有力な人たちに、等しく心を通わせることができる人でありたい。



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