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2010.12.12

モンスターペアレント

精神科医の片田珠美(たまみ)氏の心に響く言葉より…

公立学校(小・中・高)の教師の病気休職者の六割以上が、うつ病などの「心の病」だ、
という調査結果からも明らかなように、いまや心を病む学校の先生は増える一方なのだが、
その一因になっているのがモンスターペアレントなのだから。

不思議なことに、心療内科や精神科医を訪れるモンスターペアレントにお目にかかったことはないが、
自分が理不尽な要求をしているという自覚が全くないのだから、当然と言えば当然だろう。

モンスターペアレントの要求として最も多いのは、
何でもわが子中心に考えてしまうためになされるものである。

たとえば、
「今のクラスの友人とうまくいっていないので、
うちの子だけクラス替えをしてほしい(学年の途中にもかかわらず…)」

「うちの子は朝起きられず、学校に行くのをいやがることも多いのだが、
これは担任の責任でもあるので、毎朝家まで起こしに来てほしい」

「修学旅行の集合写真で、うちの子は隅っこの方にしか写っていなかったので、
うちの子を真ん中に近いところに座らせて、撮り直してほしい」

「部活で、うちの子をレギュラーにしてほしい」
…といったものである。

病院でも同様のことが起きている。
最も驚いたのは、某大学病院の面談室で、
主治医が入院患者さんの病状と今後の治療計画について家族に説明していたところ、
患者さんの息子が突然、
「説明の仕方が気にくわない。おれの親を殺す気か」
と怒鳴りだし、主治医に馬乗りになって殴りつけたという話である。
主治医は鼻骨を骨折するほど強く殴られたにもかかわらず、一切反撃しなかった。

「待ち時間が長い」「早く診察しろ」と待合室で怒ったり、
採血や注射の後、「しびれや痛みを感じるようになった。
どうしてくれるんや」と怒鳴り込んできたり、といった事例は日常茶飯事である。

これらの人々は、モンスターペイシェントと呼ばれるが、
モンスターペアレントの増加の背景にあるのと同じ構造的な問題が潜んでいる。
まず、病院や医師の権威が低下した。
医療過誤や不祥事が盛んに報道されるようになり、医療不信の念を抱く人々が増えた。

消費社会にどっぷり浸かった患者たちが医療をサービス業としかみなしておらず…教育と同じように…、
自分たちは消費者=お客様としてサービスを受けるのが当然、と考えていることも大きい。
「こっちは客なんだから、何でも要求していい」というような意識が生まれ、
無理難題をふっかけるようになったことである。

『一億総ガキ社会』光文社新書

モンスターペアレントも、モンスターペイシェントも、話を聞くだけで暗澹(あんたん)たる気持になる。
学校では、ベテランの教師までもがモンスターペアレントの苦情で、学校に行けなくなってしまったり、
病院では、患者や家族からの暴行や暴言で病院を辞めてしまう医療関係者も多くいるという。

これらの大きな要因は、学校や病院では何をやっても許される、反撃はされない、
という意識ではないだろうか。

もし、相手が学校や病院ではなく、暴力的な組織だとしたら、怒鳴り込んだりはしないだろう。
つまり、そこに甘えがあるからだ、ともいえる。
まわりを、見下しているということだ。

身の程を知らない人間ほど恥ずかしい者はない。
自分のことしか考えられない身勝手な人間は、成熟していない子供だ。

人を責め、自分の利益しか考えない人は、感謝の念が足りない。
どんなときにも、どんな人にも、「ありがとう」という感謝の気持で接したい。



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