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2010.12.7

見るもの聞くもの全部がありがたい

藤原東演住職の心に響く言葉より…

百歳越えても、なおかくしゃくとして、管長を務めた方は、
おそらく昭和に方広寺派管長だった足利紫山老師お一人ではなかっただろうか。

老師はなにごとも「ありがたい、ありがたい」、「上等、上等」と、合掌していた。
食事が終わり、暇があるとよく本堂の濡(ぬ)れ縁(えん)を歩いた。
そしてどんな天気でも心から褒めた。

晴れていたら「いやー、これはいい天気じゃなー」
雨の日も「いやー、実にどうもいい雨じゃなー」
曇りの日も「いやー、これはいい曇りじゃなー」
蒸し暑い日も「いやー、これはいい蒸し暑さじゃなー」

あるとき、お弟子の一人がいささかぶしつけな質問を老師にぶつけた。
「老師、なにがそんなにありがたいのですか。
上等上等と言われるけど、それは老師の口癖の空(から)お世辞ではないのですか」

すると老師は静かに言った。
「そんなことを言うものではない。
ただ私には見るもの聞くもの、全部ありがたく上等なものばかりだ。
それは今のお前にはわからないかもしれない。
自分のことばかり考えているものは、他人様からのありがたいご恩はわからないものじゃ」

『禅が教えてくれた 悩む力』知的生き方文庫

我々は、自分にとって都合のいいことばかりを、ありがたがる。
天気にしても、雨の日や、曇りの日、蒸し暑い日など、をありがたいと思う人は少ない。

ほとんどが、条件付で、ほめたり感謝したりしているのが我々凡人だ。
条件付の感謝は、心がこもらない。
本当は、無条件の手放しの感謝だけが、人の心を打つ。

ずっと病気で寝込んでいた人がようやく治り、久しぶりに外の空気にふれた時、
見るもの聞くもの全てが新鮮で、美しく見え、ありがたく感じる。
つまり、人は何事も、「当たり前」になってしまったとき、感動がなくなり、感謝を忘れる。

また、自分のことだけしか考えていないときにも、感謝は生まれない。
人に要求したり、もらうことになれてしまうからだ。

幕臣でありながら明治天皇の侍従にまでなった剣禅一如の達人、山岡鉄舟の歌。
「晴れてよし 曇りてもよし 富士の山 もとの姿は変わらざりけり」

晴れようが、曇ろうが、富士の山の大いなる魅力には代わりがない。
富士山にしてみたら、どんな天気もいい天気だ。

見るもの聞くもの全てを上等と感じ、ありがたいと思える人でありたい。



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