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2010.11.30

理不尽(りふじん)なこと

福田和也氏の心に響く言葉より…

戦後の経済的繁栄のなかで貧困とそれに発する病気が姿を消したことも、
日本人のスケールが小さくなった事と関係しています。

経済成長が可能にした福祉体制の充実は、相対的にではありますが、
貧困を救い医療体制を充実させました。
それはそれで、実際の問題として、とても善い事なのですが、
また一方で、器量を小さくすることに少なからず影響を与えていると思います。

生きるという事、それ自体が過酷であるということは、もちろん良いことではありません。
しかし、乳母日傘(おんばひがさ)で育った人間が感じる事のない、痛み、悲しみ、
辛さを味わっていたことは事実でしょう。

そのどうしようもなさ、いくら不平をいってもしようがない、議論をしてもどうしようもない、
自分で自分の運命を処決しなければならない場面に立った人間と、
立たなかった人間とはおのずと覚悟は違ってくる。

もがく事もあるでしょうし、諦観して受け入れざるを得ないこともあるでしょう。

慰安と平等と健康を求めて、抜きん出る事や英雄的行為、犠牲を好まない。
怖いのは病気と経済的破綻だけ。
強い信仰もなく哲学も必要がない。

めでたいといえば、めでたいのですが、これで国が、社会が持つのか、
次世代に何を残せるのか、大いに不安です。
やはり人物といえるほどの存在を作ろう、産み出そうとしないと、どうしようもないのではないでしょうか。

『人間の器量』新潮新書

後になって考えてみると、あの酷(ひど)いことがあったから、
今が上手(うま)く行っている、ということはよくあることだ。
それは、病気だったり、経済的困窮だったり、仕事の失敗だったり、だ。

貧困から抜け出すため、戦後の世代は寝る間も惜しんで事業を興し、拡大し、財を築いた。
しかしその子供たちは、その親とは逆に、豊かで、なんの心配もない暮らしの中で生まれた。

豊かさが日常の現代人は、大きな痛みや、悲しみ、辛さの経験なしに生活し仕事をする。
理不尽であることが当たり前だった親の世代と違い、
子供の世代は理不尽さに対する許容度がどんどん少なくなっている。

理不尽さに耐えるには、我慢することや、犠牲をいとわない心、
あるいは、情緒や情、潔(いさぎよ)さ、もののあはれ、といった大和心(やまとごころ)が必要だ。

病気と経済的な破綻は、全て自分の利益に直結すること。
つまり、現代人は、世のため人のため、または天下国家のこと、
あるいは、自分の周りの人たちの幸せを願うという、他喜力が著(いちじる)しく弱くなっている。

自分のことしか考えないミーイズムの人は、めでたい人。

いまさら、戦後の貧しさの世に戻るわけにはいかないが、
せめて、もっと人の辛さや悲しみ、そして喜びのわかる人でありたい。



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