2010.11.29 |
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カッコよくみせたがる人 |
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松本順氏の心に響く言葉より…
人間の心には「本音」と「たてまえ」があったり、
そのときの刺激に応じて微妙に変化するのでなかなか見抜くのが難しいのだが、
さらに相手に自分の本心を見抜かれまいとする心理機制(これを反動形成というのだが)が働くので、
いっそう本心を見抜くのが難しくなる。
反動形成というのは、本心とは反対のふりをするという心理機制である。
反動形成しているときにはなんとなく不自然でオーバーである。
こういう点に注意しておればだんだん見抜けるようになってくるのだ。
実力もないのにやたらに威張りたがるとかスタンドプレイをやりたがる、
カッコよくみせたがるというのもみな反動形成であって、
本心が貧弱なものだから外見をことさらによく見せたがるわけである。
表面はたいへん太っ腹に見えるのだが、本当はきわめて神経の細かい人であるという例もある。
世慣れて人心の機微がわかる人から見れば、彼が神経質型の人間だということは
いろいろの徴候(ちょうこう)から見抜けられないことがないのだが、
豪放磊落(ごうほうらいらく)な態度に幻惑された人たちはすっかりだまされてしまう。
『人を見抜く』PHP文庫
「妙に明るすぎる」、「やたらと優しすぎる」、「気を使いすぎる」、「異常に積極的すぎる」といった、
「○○しすぎる人」は、不自然で、裏がある。
オーバーなしぐさや、異常にカッコをつける人は、傍(はた)からみていると、
滑稽(こっけい)で、見ている方が恥ずかしくなることがある。
自分の本心を出すまいとして、反対の行動をとっている場合が多いからだ。
自分が本当に言いたいことや、本当の気持を抑えていると、
反動形成という逆の行動として出てしまう。
虚勢(きょせい)をはったり、大きなことをいったりして、自分を飾り、
自分を大きく見せようとする人は自信がない人だ。
自信がある人は、素(す)のままの自分を出すことができる。
ここぞというときに、自分をさらけ出せる人、
そして、いいも悪いも、素の自分をさらけ出してなお、魅力あるのが本当の人物。
はったりは長く続かない。
素顔の自分で毎日を勝負したい。 |
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