2010.11.15 |
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見下(みくだ)した発言 |
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タレントの関根勤さんの心に響く言葉より…
ある時、テレビ局のメイク室で、ヘアメイクさんに、
「関根さん、メイク落とすの、おしぼりでいいですか?」
と聞かれたとき、僕はうかつにも、
「はい、おしぼりでいいです」
と答えてしまいました。
そして、その後、ハッとしたのです。
「おしぼりでいい」なんて、おしぼりを上から見下している発言ではないか。
おしぼりに失礼だし、おしぼりを温める機械にだって失礼だし、
おしぼりで生活している人たちにも申し訳ない。
そう気づいてから以降、僕は「おしぼりをお願いします」と言葉を正して使っています。
それで思い出したんですけど、居酒屋で、
「とりあえずビール!」
というのもイヤな言い回しです。
とりあえずっていうのは、あなたの都合じゃないの?
ビールを飲みたくて来てるんでしょ?
一口飲んだ後に「フ〜ッ!うまい!」って言うんでしょう?
とりあえず、ではないはずです。
「すみません、いの一番にビールをください」
「僕ののどがビールを熱望しております。ビールください」
「ビール酵母バンザイ!ビールのシュワ〜〜!最高」
「私はまだまだ修行の足りないバカチン野郎ですが、ビールを飲ませていただいてよろしいでしょうか?」
言葉は大事なコミュニケーションの手段なのですから、
美しく、正しく、感謝のこもった言葉遣いをぜひ心がけていただきたいものです。
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よその家や会社のお邪魔したとき、「コーヒーでよろしいでしょうか?」と聞かれたりすると、
つい「コーヒーでいいです」などと答えてしまうときがある。
「あ、コーヒーを是非お願いします」と言ったほうが、相手も自分もよほど気持がいいのに。
「日替わり定食でよろしいですか?」、「そちらの商品でいいですか?」、
と世の中には、『で』の罠(ワナ)がたくさんある。
「『で』いいです」、と言ったときは、上から見下している偉そうな態度となる。
「とりあえず、ビール」も同じで、ビール会社の社員なら絶対に言わない言葉だろう。
商品を見下したときは、そこで働いている人たちも、見さげていることになる。
うかつに謙遜(けんそん)したり、見下した言葉を使うと、その言葉に関係する人たちに申し訳がない。
言葉は言霊(ことだま)だ。
ユーモアに包まれた、美しくて、感謝あふれる言葉を使いたい。 |
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