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2010.10.30

猛烈に腰が低い人

ヤマト運輸の、小倉昌男氏の心に響く言葉より…

「偉い経営者」とはどういう人のことを言うのだろうか。
会社を急成長させた人、新しいビジネスを創造した人など、
世間的に「偉い」と思われている経営者は大勢いる。

しかし私がこれまでつきあってきた経営者の中に、
本当の意味で人間的に「偉いなぁ」と思える人はそれほど多くなかった。

そんな数少ない人物の中でも、とりわけ私が心から「偉い」と感じて尊敬していたのは、
新日鉄の社長や経団連の会長職などを歴任された
故・稲山嘉寛(いなやまよしひろ)さんである。
とにかく何をしていても器の大きさを感じさせる方だった。

とくに感心させられたのは、その腰の低さだ。
新日鉄の社長や経団連の会長といえば、財界でも最高のポストである。

しかし、稲山さんは、その肩書きの重さをみじんも感じさせない気さくな性格で、
それはそれは猛烈に腰が低い。
「実るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂かな」という言葉を地でいくような人物だった。

腰が低いということはいばらないということで、
これは逆に言うと人を差別しないということでもある。

相手がだれであれ分け隔てなく接するという点で、
稲山さんほど徹底していた企業経営者を私は見たことがない。

その人柄を端的に表しているのが、
稲山さんの追悼録(ついとうろく)にも紹介されているエピソードだろう。

稲山さんが理事長をなさっていたゴルフクラブのキャディが、
「日曜の朝になると、今日は稲山さんを担当できますように、
と神棚に手を合わせていました」と書いているのだ。

キャディが「あの人のバッグを持って一緒にコースを回りたい」と願うというのは、
いかにふだんから優しく接していたかという証拠だろう。

いばり散らしてキャディをアゴでこき使い、
「あの人だけは回りたくない」と嫌われる人間は大勢いるが、
「担当したい」と思われている人物はめったにいないと思う。

『「なんでだろう」から仕事は始まる!』講談社

サービス業に従事する人には、人間の本当の姿がよく見える。
人は上の立場になったとき、その人間性が現れることが多いからだ。
つまり、お客という絶対的に強い立場に立ったときのこと。

お金を払っているのだからと、いばり散らしたり、横柄(おうへい)になり、偉そうにする。
しかし、どんなに肩書きがあろうが、お金を持っていようが、卑(いや)しい人は嫌われる。

あるゴルフ場でのこと、人が使ってビショビショに濡れたトイレの洗面台の上を、
一人で黙々と拭いている紳士がいた。
それを、支配人が見かけ、後ろから声を掛けたところ、
なんと、時の総理大臣、吉田茂さんだったそうだ。

人を差別しない人、わけ隔てなく接する人に、人は惹(ひ)かれる。
それが、猛烈に腰が低い人。

サービス業の人に、「担当したい」と思われるような人になれたら最高だ。



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