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2010.10.26

忘憂(ぼうゆう)の名あり

五木寛之氏の心に響く言葉より…

親鸞は(しんらん)は非常におもしろい人で、こういうことを言っています。
お葬式に行くと、近親者が遺体を囲んで、嘆き、悲しんで、泣きわめいている。
それを叱る坊主がいるというのです。

「この人は、いま光に包まれて浄土へ迎えられた。
それを嘆き悲しむとは、信心が足りない。
むしろ、見事に浄土に往生したことをこそ喜べ」
と言って、嘆き悲しむ人たちをとがめたり叱ったりする、ばかな坊主がいる、と。

「それは間違っている」と、親鸞は『口伝鈔(くでんしょう)』という言行録の中で語っています。
では、どうすればよいのか。

親鸞はこう言った。
「酒はこれ忘憂(ぼうゆう)の名あり」
酒には、忘憂という異名があるのだ。
「これを勧めて、笑うほどになぐさめて去るべし」と言っている。

亡き人を思って悲しんでいる人には、
憂(うれ)いを忘れるお酒でも勧めて故人の思い出話をしながら、
酔いが回って冗談のひとつでも出るようになったところで引き上げてこい、
これが弔(とむら)いのあり方なのだ、と親鸞は言ったそうです。

これはじつに人間的な、秋霜烈日(しゅうそうれつじつ)を思わせる
親鸞の論理の中からこぼれ出た人間味が感じられます。

『他力(たりき)』講談社

悟(さと)ったような、まことに臭(くさ)い発言をする人は多い。
自分の肚にストンと落ちていない言葉は、相手の心に響かない。

あまりに悲しい出来事に遭遇すると、人は悲しみのどん底に落ちる。
しかし、涙も枯れるほど悲しみ抜くと、落ちて落ちて底に着く、すなわち「落ち着く」状態となる。

どんなに耐えがたい悲惨な状況になったとしても、その壁をひとつ乗り越えれば、明かりは見える。
夜の明けない朝はないからだ。

「酒はこれ忘憂(ぼうゆう)の名あり」
酒には、「忘憂」という別名がある。

憂(うれ)いを忘れるには、ジタバタせず、酒でもゆっくり飲んで、
自らのパワーがみなぎってくるのを待つのがよい。

どんな慰めも、アドバイスも、時間と言う薬に勝(まさ)るものはない。



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